【事業承継】親族内承継は「終わりの話」ではなく「次の成長の話」~中小企業庁「親族内承継に関する中間とりまとめ」から読み解く
- 那住行政書士事務所

- 1 日前
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2025年12月12日、中小企業庁は「中小企業の親族内承継に関する検討会 中間とりまとめ」を公表しました。
一見すると、「事業承継税制の話」「相続の話」と受け取られがちですが、今回のとりまとめは、単なる制度説明ではありません。
むしろそこには、「これからの中小企業経営を、誰が・どのタイミングで担うのか」という、経営の根幹に関わるメッセージが込められています。
初出:2026/01/07
追記:
【参考】
中小企業の親族内承継に関する検討会の中間とりまとめを公表します
なぜ、いま「親族内承継」なのか
中小企業を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わりました。
物価高
人手不足
賃上げへの対応
DXや設備投資の必要性
こうした変化の中で、経営者の高齢化も急速に進んでいます。実際、70歳以上の経営者の割合は全国的に増加し続けており、黒字にもかかわらず廃業する企業も少なくありません。
廃業理由の約3割は「後継者不在」。つまり、「事業は続けられるのに、引き継げない」という状況が、各地で起きているのです。
その中で中小企業庁は、あらためて親族内承継は、今なお重要な選択肢であるという点を正面から認めています。
実際、内部昇格やM&Aが増えているとはいえ、親族内承継は今でも約3割を占める主要な承継形態です。
事業承継税制は「使うと成長する」制度だった
今回の中間とりまとめで、はっきりと示された点があります。
それは、事業承継税制を活用した企業は、その後の成長につながっているという事実です。
具体的には、
早期に事業承継を決断できた
賃上げを継続的に実施している
売上高が増加している
設備投資や生産性向上に取り組んでいる
といった傾向が、データとして確認されています。
つまり事業承継税制は、「相続税を軽くするための制度」ではなく、次の世代が思い切って経営に踏み出すための制度として機能してきた、という評価です。
それでも、使われていない理由
一方で、制度があるにもかかわらず、「使えるはずなのに使っていない企業」が多いことも指摘されています。
その理由として多いのが、
手続きが複雑そう
要件を守れなかった場合が不安
後継者の準備がまだできていない
まだ自分が元気だから、急がなくてもいい
といった声です。
特に「後継者はいるが、経営者としての育成が終わっていない」という理由は、非常に多く挙げられています。
国が示した、これからの方向性
今回の中間とりまとめで重要なのは、「これからの事業承継は、より使いやすい制度に見直していくべきだ」という問題意識が、公式に示された点です。
たとえば、
株式は本当に「3分の2まで」でよいのか
雇用人数の維持だけを重視する要件でよいのか
成長投資や賃上げをどう評価するのか
といった論点が整理されています。
まだ結論は出ていませんが、事業承継を「守り」ではなく「攻め」に使うという方向性は、はっきり見えてきました。
経営者がいま考えておきたいこと
この中間とりまとめから、経営者の皆さまにお伝えしたいのは、次の一点です。
事業承継は「引退の準備」ではありません。会社の次の10年、20年をどう描くか、という経営判断です。
いつ承継するのか
誰に託すのか
承継をきっかけに、何を変えるのか
これらを60代、できればそれ以前から考えておくことが、結果として会社・従業員・地域を守ることにつながります。
おわりに
国は今、親族内承継を「時代遅れの選択肢」ではなく「成長の起点」として捉え直そうとしています。
制度は今後変わる可能性があります。しかし、「考え始めるのが早すぎる」ということはありません。
事業承継は、ある日突然やってくるものではなく、準備した会社ほど、次の世代で強くなる。
今回の中間とりまとめは、そのことを改めて教えてくれています。
◆お問い合せ/ご相談
事業承継は、「相続が近づいてから考えるもの」ではありません。むしろ、元気なうちに、余裕をもって整理しておくことが、その後の選択肢を大きく広げます。
・親族内承継を考えているが、何から手を付ければよいか分からない
・事業承継税制が使えるのか、自社の場合を一度整理してみたい
・後継者はいるが、まだ正式に話を進めていない
・「まだ早い」と思ってきたが、そろそろ一度専門家に相談しておきたい
このようなお悩みは、決して珍しいものではありません。
那住行政書士事務所では、中小企業の経営者の方と一緒に、事業承継を「経営の課題」として整理することを大切にしています。
税金の話だけでなく、
・承継までのスケジュール
・後継者との関係整理
・必要となる書類や手続きの全体像
を含めて、現状を「見える化」するところからサポートいたします。
「今すぐ何かを決める」必要はありません。まずは、いまの会社の状況を一度整理する――その第一歩として、お気軽にご相談ください。
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