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「子」の利益を最大限に考える法の運用が行われて欲しい~「共同親権」への法改正について(令和7年11月14日)

★11月14日 金曜日の予定★

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ー「共同親権」を巡りいろいろ考えなくてはならないこと

私の事務所ではあまり離婚の問題を業務としては扱っていません。今まであまりそうしたご相談が、当事務所に寄せられなかったということもありますが。事務所のホームページにも特に記載はありません。

しかし来年4月の施行が予定されている、「離婚後の子の親権に関する法改正」については、行政書士もしっかりと考えなくてはいけない問題ですし、私自身も、いつご相談を受けても、しっかり対応できるように考えなくてはいけないなと考えています。


2024年5月に成立した、民法の改正により、離婚後も父母が共同で親権を行使する「共同親権」が選択できるようになりました。来年4月1日からの施行が予定されています。このニュースは大きな話題を呼び、賛成・反対の議論が今も続いています。この改正は「共同親権の導入」にとどまるものではなく、親の責務の明確化、養育費制度の改善、安全な親子交流の確保など、家族法全体の見直しが行われており、その内容は多岐にわたります。


今回の改正の根底には、「子どもの利益を最も優先して考える」という理念があります。当然のこと、当たり前のことのように思えますが、これまで離婚を巡る様々な状況の中においては、必ずしもそのようなことが当たり前では無い運用がされて来たように思えます。今回

民法に明文化されたことで、その重要性がいっそう強調されることとなったことは、非常に重要なことであると感じます。


― 離婚後の共同親権は「原則」ではなく「選択制」

改正民法817条の12では、父母には次の義務があると明記されました。

・子どもの人格を尊重する

・発達に応じた適切な養育を行う

・子が「親と同程度の生活」を維持できるよう扶養する

・婚姻中か否かに関わらず、父母は協力しなければならない


これらは、親の「責務」を明確化したものです。特に注目されるのは「生活保持義務」の明記で、子どもの生活レベル維持が強調されています。さらに、DVやモラハラなど、子の利益を害する行為についても判断の基準として明示されるようになりました。


さて、この法改正についてSNS上での議論をみていると、「離婚後は共同親権になる」という誤解もありますが、正しくは「選択的共同親権」です。「共同親権」にするか「単独親権」にするか、どちらを選ぶかは、父母の協議によって決めます。

ただしその協議において、早期離婚を目指すために深く考えず決めてしまうことや、両者の力関係によって真意がゆがむ可能性が指摘されており、国は父母の「真意確認」の在り方を今後検討するとしています。


裁判上の離婚となるなる場合は、裁判所が親権者を決めることとなるわけですが、この場合は、「子の利益」のため、総合的に判断するとされています。そのため父母の合意がなくても、裁判所が共同親権を指定する可能性があります。


― 意見対立の際の規程はあるが……

共同親権にすると、「すべてのことを二人で決めないといけないのでは?」と心配される方もいるかと思いますが、そうではありません。日常の行為、 急迫の事情があるときなどは単独で親権を行使できるとされています。国会での議論を聴いていると、「予防接種・塾・アルバイト許可」などが日常の行為であるとされています。


どうしても意見が合わない場合は、家庭裁判所が父母の意見対立を調整するために、どちらか一方の親に、特定の事項について、親権の単独行使を認める規程が改正法にはもりこまれています。しかし一般の人々が、家庭裁判所を利用するということは、ちょっとハードルが高いような気がします。


― 養育費の「取りっぱぐれ」を防ぐ仕組みが強化

今回の改正のなかでも、実務的に非常に重要なのが養育費制度の改善です。最低限の生活維持を前提に、一定額が算定され、請求できる仕組みが新設されました。特に養育費について、他の債権より優先して回収できるよう「先取特権」が認められたことは大きな意味があると思います。


また離婚した親子間で、常に大きな問題として取り上げられる「面会交流」についても、「親子交流」という名称で規程し、より幅広い形の交流が想定されるようになりました。

条件は厳しいものの、祖父母などの親族との交流が認められる場合もあります。

ただし、ここでも中心にあるのは「子の利益」です。「子の利益のため特に必要があると認められる」ことが必要であるとされています。


その他にも、今回の法改正では、離婚実務全体が見直されており、財産分与請求期間が2年から5年へ延長されたり、寄与度など考慮要素の明文化が行われるなど、非常に大きな改正となっています。


― 共同親権をめぐる賛否両論

共同親権は大きな転換点であるため、報道やSNS上では様々な意見が述べられています。

私自身は今回の法改正に比較的賛成の立場をもっています。「子どもにとっての親は、離婚しても二人である」という事実を、制度として大切にすべきだと思うからです。

もちろん、共同親権が全ての家庭にとって最適というわけではありません。

しかし、単独親権しか選べない現行制度では、一定数の子どもが「どちらかの親を失う」ような状況に置かれてきました。

今回の改正は、親子のつながりを守るための“選択肢”を増やすものであり、その点で非常に意義があると考えています。


一方で反対、また改正に慎重な声も根強く存在します。

・DV被害者が加害者と協議を続けることは危険

・共同での意思決定が、子育てを複雑にする可能性

・裁判所の人的リソースが不足し、紛争が長期化する懸念

・別居や高葛藤状態のケースでは、共同親権は現実的に難しい

などの指摘が多いと思います。とりわけ、DV・モラハラに関する懸念は重大であり、制度の運用で慎重な対応が必要です。ただ実際に今、離婚を巡る様々な状況の中で、協議を有利に進めるため、意図的にDV・モラハラの状況を作りだすといったことも行われているとする意見もあります。家庭内のことは外部から見えにくいこともあり、その実態はなかなかわかりません。

いずれの場合においても「子の利益」が最優先されるような、そんな運用が行われることを望んでいます。



今回の法改正は家族法全体の大きなアップデートであると言えます。父母の対立に焦点が当たりがちですが、この制度の中心に据えられているのは、あくまで「子の利益」です。

子どもにとって何が一番良いか離婚後の家族の形をどうつくるかを社会全体で考える風土が広がっていくことを期待したいと思います。


そしてこの問題に、行政書士も積極的に取り組んでいくべきでは無いかと、個人的には考えています。(もちろん業法の範囲内でですが……)


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📰【ニュースチェック】

・AI開発「徹底した安全性」 政府指針骨子案 開発者らに求める

・捜査情報漏えい疑い 風俗スカウト団に 警部補逮捕 警視庁

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🚩【官公所情報】


【後見】

・法制審議会民法(成年後見等関係)部会第27回会議(令和7年10月28日開催)

・法制審議会民法(成年後見等関係)部会第28回会議(令和7年11月4日開催)

・金融庁 後見制度支援預貯金・後見制度支援信託の導入状況調査の結果について(令和7年11月10日)


【遺言】

・法制審議会民法(遺言関係)部会第13回会議(令和7年10月21日開催)


【会社法・企業・事業者】

・法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第7回会議(令和7年10月29日開催)

・第2回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 事業再構築小委員会 早期事業再生検討ワーキンググループ


【知財・著作権】

・知的財産戦略本部「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」

(第25回)(令和7年10月29日開催)


【その他】

・日本成長戦略会議(第1回)(令和7年11月10日開催)

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