【日本版DBS】教育事業者が知っておくべき「日本版DBS」制度のポイント
- 那住行政書士事務所

- 2025年12月30日
- 読了時間: 6分

— 2026年から始まる、新しい“子ども安全対策” —
2026年12月25日から施行予定の「日本版DBS」(Disclosure and Barring System)。
子どもへの性暴力歴のある人を、教育・保育などの仕事に就かせないための仕組みとして、新たにスタートする制度で、教育事業者にとっては無視できないテーマです。
本記事では、学習塾・予備校・スポーツ教室・音楽教室・英会話スクールなど、子どもと日常的に接する教育事業者が押さえておくべき制度のポイントを分かりやすくまとめます。
初出:2025/12/09
追記:2025/12/30
【参考】こども家庭庁「こども性暴力防止法」
(子ども家庭庁資料)
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)
概要・参考資料(PDF/1.8MB) ※令和7年4月17日に掲載資料を更新
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律の施行に向けた周知依頼について(令和7年9月30日 こども家庭庁支援局長通知)(PDF/1.8MB)
■ 日本版DBSとは何か?
日本版DBS制度をひと言で表すと、
「子ども関連サービスに従事する職員・講師などが、過去に一定の性犯罪歴があるかどうかを国が確認し、その情報に基づき事業者が採用・配置を判断する制度」
です。
英国のDBS(犯罪経歴証明制度)と似ていますが、日本では次のような枠組みで運用されます。
・学校・認可保育所等については 法令により義務化
・学習塾などの民間教育サービスについては 国の認定を受けた事業者が制度に参加
いずれの場合も、
犯罪事実確認・安全確保措置・防止措置・情報管理
を組み合わせて、子どもへの性暴力を未然に防止することが目的です。
特に教育業界では、子どもと職員が密接に関わる場面が多いため、制度の重要性が高い分野と位置づけられています。
■ 制度の対象となる「教育事業者」
日本版DBSは、学校や保育所に限られた制度ではありません。一定の要件を満たす民間の教育関連サービスも、国の認定を受けることで制度の対象となります。
学習塾
予備校
個別指導塾
英会話教室
スポーツ教室
武道・ダンス・音楽教室
文化教室
学童保育的なサービス
放課後クラブ
その他、継続的に子どもと接する教育関連サービス
制度対象かどうかの判断にあたっては、単に「教育をしているか」ではなく、主に次の要素が考慮されます。
支配性(事業者・従事者が子どもを指導・管理する立場にあるか)
継続性(一時的ではなく、継続的に子どもと関わるか)
閉鎖性(第三者の目が届きにくい環境か)
これらを踏まえ、「スタッフが子どもと継続的かつ密接に接するかどうか」が重要な判断軸となります。
■ 民間教育保育等事業者は、国に申請して認定を受けることで制度の枠組みに参加可能に
性暴力は、子どもの心身の発達に深刻な影響を及ぼし、断じて許されるものではありません。
こども性暴力防止法では、
学校、認可保育所等→ 公立・私立を問わず、性暴力防止の取組が法的義務
民間の教育保育等事業者(学習塾等)→ 国に申請し、認定を受けた場合に制度の枠組みに参加
という二層構造が採られています。
民間事業者については、認定は義務ではありませんが、認定を受けることで「日本版DBSに適合した事業者」として制度運用を行うことになります。
■ 事業者に求められる義務
制度開始後、対象事業者(義務対象・認定対象を問わず)には、次の措置が求められます。
•安全確保措置 ・・・ 被害の早期把握のための面談・アンケート、相談体制の整備等
•犯罪事実確認 ・・・ 従事者の性犯罪前科の有無の確認
•防止措置 ・・・ 性暴力のおそれがあると判断される場合のこどもとの接触回避策等
•情報管理措置 ・・・ 性犯罪前科等の情報の適正な管理
特に、性犯罪前科が確認されるなど、性暴力のおそれがあると判断される従事者については、配置転換等の雇用管理上の措置が必要になるため、制度開始後のトラブル防止の観点から、就業規則等を整備して従事者に周知しておくこと採用選考の際に、誓約書等により性犯罪前科の有無を確認しておくこと等の対応を、制度開始前のいまから事前に行っておくことが重要です。
■ 制度開始前に整えておくべき実務対応
特に、性犯罪前科が確認された場合の対応は、後付けではトラブルになりやすい分野 です。
そのため、制度開始前の段階から、次のような準備を進めておくことが重要です。
1. 自社が制度対象かどうかの確認・認定が必要かどうかの確認
まずはここから検討しましょう。該当する場合、早急に準備が必要です。
2. 採用プロセスの見直し
面接
採用前チェック
認定の確認
就労制限の判断
3. 内部規程の整備
職員行動規範
子どもとの接触ルール
ハラスメント防止規程
誓約書・覚書の整備
4. スタッフ向け研修の実施
新任者だけでなく既存スタッフも対象
。
5. 相談・通報の仕組みづくり
内部通報窓口や、対応フローの整備。
■ 制度の導入で何が変わるのか?
教育事業者にとって、日本版DBSは単なる「チェック制度」ではありません。むしろ “子ども安全のための総合リスクマネジメント” という位置づけになります。
保護者から選ばれる教育サービスになる
職員の管理が標準化される
トラブル時の説明責任を果たしやすくなる
職場の透明性が高まる
こうしたメリットが期待できます。今後、保護者が「DBS対応していますか?」と質問する場面も増えることが予想されます。
■ まとめ:教育事業者は早めの準備が重要
日本版DBS制度は、教育分野に大きな影響を与える制度です。特に民間の教育サービスは制度理解が遅れがちで、施行直前に混乱する可能性があります。
今のうちに、
対象判定
採用プロセスの設計
内部規程の整備
認定手続の準備
研修体制の準備
これらを進めておくことで、スムーズな制度対応ができます。
那住行政書士事務所では、教育事業者向けの制度分析・申請支援・内部規程整備・研修など、包括的な支援を行っています。制度対応に不安がある教育事業者の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。
◆お問い合せ/ご相談
那住行政書士事務所では各種事業の法務、暮らしの法務について支援しております。よろしければ当事務所までご相談ください。
事務所で対面でのご相談の他、ZOOM等のリモート相談、お伺いしての出張相談も対応いたします。
電話/045-654-2334
日本版DBS導入支援・運用サポート
法務通信(行政書士事務所発オウンドメディア的ページ)
※本記載は投稿日現在の法律・情報に基づいた記載となっております。また記載には誤り等がないよう細心の注意を払っておりますが、誤植、不正確な内容等により閲覧者等がトラブル、損失、損害を受けた場合でも、執筆者並びに当事務所は一切責任を負いません。








コメント