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神奈川県行政書士会で「特定行政書士考査・受講ガイダンス」なんてもんをやりました。(令和8年6月2日)



6月の初日はからっと晴れた良い天気。というより暑かった。この時期予想外に暑いと、まだ身体が慣れてないせいか余計に疲れるな~と。そんな令和8年6月1日。なんか昨晩は家帰ってきたらヘトヘトでした。

朝、打合せからはじまり、夜は会合に出席。という流れの中で、途中、お昼過ぎから、神奈川県行政書士会大会議室において、特定行政書士検討ワーキンググループ主催による「特定行政書士考査・受講ガイダンス」などという研修会がありました。

当日の参加者は58名。

現在、神奈川会で特定行政書士検討ワーキンググループの座長を務めていますが、ここ数年、開催してきたワーキンググループの研修会としては、非常に多い参加人数です。会場には、これから特定行政書士を目指そうという会員、制度に関心を持つ会員が多く集まりました。


―特定行政書士の役割の拡大

なぜ今、これほど多くの会員が特定行政書士に注目しているのかと考えると、その理由の一つが、令和7年行政書士法改正でしょう。


特定行政書士制度は平成26年の行政書士法改正により創設されました。特定行政書士は、日本行政書士会連合会が実施する法定研修を受講し、考査に合格することで付記を受けることができます。そして、行政不服審査法に基づく審査請求などの不服申立手続について代理を行うことができます。しかし従来は、その代理権の範囲に大きな制限がありました。

「行政書士が作成した官公署提出書類」に関する許認可等についてのみ、不服申立てを代理することができたのです。

ところが令和7年の法改正により、この文言は「行政書士が作成することができる官公署提出書類」に改められました。


一見すると小さな文言修正に見えます。しかし実務上の意味は極めて大きい。


これまで行政書士が申請段階に関与していなかった案件や、本人申請案件についても、行政書士が本来取り扱うことのできる許認可等であれば、不服申立ての代理が可能となる方向へ大きく舵が切られたのです。行政書士が許認可申請だけでなく、その後に発生する不利益処分への対応や権利救済の場面まで関与できる。まさに行政法の専門家としての役割が大きく広がったと言えるでしょう。


ー改正されたからこそ、先を見据えて

ただこうした改正を手放しで喜んでいいのでしょうか。改正されて役割が増えたからこそ、その担い手を今度は行政書士会の責任でしっかりと教育、育成していかなくてはなりません。神奈川県行政書士会・特定行政書士検討WGでは、今年1月には審査請求実務を見据えた研修会を行いました。これは主にすでに特定の付記を受けている人たちの、ブラッシュアップを図る研修です。そして今回は、まだ特定の付記を受けていない会員に、研修に臨んで頂こうと促すために、このような研修会を行いました。

制度開始時、平成27年12月4日はじめて特定の付記を受けた会員は、全国で2,428名、神奈川県では163名でした。それが昨年の11月1日時点では全国に5,470名 神奈川県は400名と拡大しています。もっと拡大していかなくてはなりません。


と、ここまではポジショントーク的なはなし。

もう一つ、立場を離れて、本音を言えば……


税理士さんも、社会保険労務士さんも、それぞれの資格で認められている業務分野に関しては、「特定」や「認定」を受けなくても、審査請求を行うことができます。行政書士のみ、特定を受けなければできないという、アンバランスな現状があります。他資格と比較したとき、行政書士は行政書士の業務分野でしっかり能力担保がされているのだということを、もっとしっかりと主張していかなくてはなりません。主張には根拠が必要です。根拠は法律の文言をどうするかということもありますが、それ以上に一人ひとりの行政書士が、もっとしっかり、高みを目指して、スキルや能力を向上させていかなくてはならなと思っています。


ー「行政法」の専門家として

行政書士という資格は、実は日本でも数少ない「行政法」を専門的に扱う資格です。建設業許可、産業廃棄物処理業許可、風俗営業許可、入管業務、農地転用、開発許可など、行政書士が日常的に取り扱う業務の多くは行政法によって支えられています。

そして特定行政書士は、一連の研修を通してその行政法をさらに深く学びます。


これらを体系的に学び、行政庁による処分が適法であるか、国民の権利利益が適切に守られているかを検討する力を身につけていきます。裁判ではなく、行政内部の救済制度である行政不服審査制度。そこでは単なる対立ではなく、法令の趣旨や制度目的を踏まえた是正や調整が求められます。だからこそ特定行政書士は、「行政と市民をつなぐ専門職」として重要な役割を果たすことができるのです。



さて、昨日の研修会では、私からは「行政書士法改正による業務拡大と、特定行政書士取得の意義」というテーマでお話しをさせていただきました。参加者をみたら登録直後の方も多かったので、特定行政書士制度について、そして待ち受ける研修・考査の概略についてお話しをさせていただきました。

そしてWGの委員、担当副会長からは、行政法分野、要件事実・倫理分野についてそれぞれ過去問題を分析しながら勉強法を紹介し、具体的な事例を用いて説明を行いました。


単なる資格取得支援にとどまらず、「行政法実務家」を育てることが、このワーキンググループの目標です。


近年、行政手続のデジタル化や制度の複雑化が進む一方で、国民や事業者が行政との関係で抱える課題も多様化しています。許認可申請だけでなく、不利益処分への対応や権利救済の場面においても、行政書士に期待される役割は確実に広がっています。

その可能性を最大限に活かすために、多くの会員が特定行政書士に挑戦してくれればいいな、と。


こうした研修会をやらして頂くと、あらためて自分の勉強にもなります。とても良い機会でした。


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