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【日本版DBS】こども性暴力防止法施行ガイドライン、こども家庭庁が策定、押さえておくべきポイント

— 2026年から始まる、新しい“子ども安全対策” —


2026年12月25日から施行予定の「こども性暴力防止法」(正式名称:学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)。「日本版DBS」(Disclosure and Barring System)と呼ばれる新制度は、子どもと接する業務にあたる人について、一定の要件を満たした事業者などが、過去の性犯罪歴を確認することができる新たな仕組みです。教育事業者にとっては無視できない新制度がはじまります。


令和8年1月9日、こども家庭庁は「こども性暴力防止法施行ガイドライン」を策定・公表しました。本記事では、「こども性暴力防止法施行ガイドライン」の要点についてご説明します。学習塾、スポーツ教室、英会話教室、放課後クラブ等の民間事業者にとっても、制度対応の指針となる内容が網羅されています。


初出:2026/1/10

追記:

【参考】

こども性暴力防止法施行ガイドラインの策定について(リリース)

(ガイドライン)


(法令・通知等)

こども家庭庁「こども性暴力防止法」


(子ども家庭庁資料)


本ガイドラインは、

  • 法律

  • 施行令

  • 施行規則

を前提に、事業者が実際に何をすべきかを具体的に示す、極めて実務的な文書です。


1.施行ガイドラインとは何か

こども家庭庁によると、本ガイドラインは、

  • 法及び下位法令の解釈を明確化

  • 実際に措置を講ずる事業者・従事者の理解を促進

  • こども・保護者を含む国民に対し、制度の全体像を示す

ことを目的として策定されたものです。単なる「概要資料」ではなく、制度運用を前提とした公式の実務指針である点が、最大の特徴です。


2.ガイドラインの全体構成

施行ガイドラインは、全341ページに及ぶ大部な文書です。


主な構成は、以下のとおりです。

Ⅰ~Ⅲ 制度の基本構造

  • 目的・責務

  • 用語定義

  • 対象事業・対象業務の考え方(学校設置者等/民間教育保育等事業者の区分)

Ⅳ 認定制度

  • 民間教育保育等事業者の「認定」の趣旨

  • 認定基準

  • 申請方法・添付書類・標準処理期間

  • 表示・公表・変更・取消し

Ⅴ~Ⅶ 安全確保措置

  • 早期把握・相談・調査・保護・研修

  • 犯罪事実確認

  • 防止措置(配置転換・接触回避等)

Ⅷ 情報管理措置

  • 犯罪事実確認記録の管理

  • 目的外利用・第三者提供の禁止

  • 漏えい時の報告

  • 廃棄・消去

Ⅸ 監督・報告・罰則

  • 定期報告

  • 立入検査

  • 是正命令・罰則


3.事業者にとって重要なポイント①

「対象事業者」の考え方が明確化

ガイドラインでは、制度対象となるかどうかの判断にあたり、

  • 支配性

  • 継続性

  • 閉鎖性

という3つの視点が明示されています。

これは、単に「教育サービスかどうか」ではなく、

  • 子どもに対して優越的立場に立つか

  • 継続的に関係を持つか

  • 第三者の目が届きにくい環境か

といった、実態に即した判断を求めるものです。学習塾、個別指導、スポーツ・文化教室等が制度対象となり得る理由も、ここにあります。また、この要件を満たせば、事務職員や送迎バスの運転手、正社員だけでなく、単発のアルバイトなども対象になり得るとされています。


4.事業者にとって重要なポイント②

「認定制度」の位置づけが明確に

民間教育保育等事業者については、

  • 制度への参加は義務ではない

  • ただし、国の認定を受けることで制度対象となる

という整理が、ガイドライン上でも明確に示されています。


認定を受けた事業者は、

  • 学校設置者等と同等の安全確保措置

  • 犯罪事実確認

  • 情報管理措置

を講ずる体制が整っている事業者として扱われます。今後、保護者や社会からの信頼の指標として、この認定の意味合いは非常に大きくなると考えられます。


5.事業者にとって重要なポイント③

犯罪事実確認は「一度きり」ではない

ガイドラインでは、

  • 新たに対象業務に従事する者

  • 施行時点の現職者

  • 配置転換等が生じた場合

など、場面ごとに犯罪事実確認が必要となるタイミングが詳細に整理されています。


一方で、「○年ごとに一律で再確認する」といった単純な制度ではありません。

事業者は、

  • どの場面で確認が必要か

  • 確認できなかった場合の対応

  • 派遣・業務委託の場合の整理

を、ガイドラインに沿って制度設計する必要があります。


6.事業者にとって重要なポイント④

情報管理は“最重要リスク領域”

本ガイドラインで特にページ数を割いているのが、情報管理措置です。


犯罪事実確認記録は、

  • 極めて機微性の高い個人情報

  • 厳格な目的外利用禁止

  • 第三者提供の制限

  • 漏えい時の報告義務

  • 適切な廃棄・消去

が求められます。

形式的に制度対応を行っても、情報管理を誤れば、事業者側が重大な法的・社会的リスクを負う点は、強く意識すべきポイントです。


7.事業者はいま何を準備すべきか

施行(令和8年12月25日)までに、事業者が検討・整備すべき事項は少なくありません。

例えば、

  • 自社が制度対象となるかの整理

  • 認定申請の要否判断

  • 採用・配置プロセスの見直し

  • 就業規則・服務規程の整備

  • 相談・通報体制の構築

  • 情報管理規程の策定

  • スタッフ研修の計画

など、制度を「回す」ための準備が必要になります。


制度施行直前に慌てるのではなく、いまの段階から、段階的に準備を進めることが、最大のリスク回避策となります。



那住行政書士事務所では、

  • こども性暴力防止法・施行ガイドラインの読み解き

  • 民間教育保育等事業者の認定申請支援

  • 内部規程・情報管理規程の整備

  • 事業者・スタッフ向け研修

など、制度対応を実務として支援しています。

制度対応に不安のある教育・保育・学習支援事業者の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。



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