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10月4日そして10月5日のこと。旭川で西川徹郎先生にお会いできた話。(令和7年10月8日 火曜日)

★10月8日の予定★

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1年のうち、いくつか「忘れられない日」がありあますが、10月4日はその一つです。大学生の時、ゼミの担当教官であった文藝評論家・小笠原賢二先生が、肺癌でお亡くなりになった日です。今年で21年目になります。

昨年はちょうど20年ということで、OB数人で集まり一献交わしました。今年は、当日は長津田で行政書士会緑支部のイベント。無料相談会&セミナーを一日実施していました。

はじめての会場、はじめてのイベントだったのですが、多くの方に起こし頂き、無事成功。なんか良い一日でした。


故人を偲ぶことはなかった一日。しかしそれは、そういうふうに充実して一日が過ぎていくというのは、それはそれとして、生きている人間として良いことなのかな、と。



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翌日10月5日。

本棚から1冊の本を取り出して家をでました。

2004年7月刊行、小笠原賢二・著『極北の詩精神ー西川徹郎論』という本です。

小笠原先生が亡くなる3ヶ月前、生前、最後に刊行された著書。本の扉のページには

「二〇〇四年八月二十五日立川病院にて 小笠原賢二」との署名が入っています。


小笠原先生の文体は……などと語れるほどの知識も見識も持ち合わせていないのですが、あくまで、教え子の一人が感じる感想として……とてもやさしい、丁寧な文章です。しかしその評論はまっすぐと、そして時には厳しい評論であるな、と。ただその厳しさはただたんに批判とか、そういうことではなく、真っすぐに誰に迎合することなく、ご自身の文学に対する信念をもとに、評を記されていたな、と思うのです。


だからこそ、西川徹郎という、北海道の地でどこの結社に所属することもなく、孤独に創作を続けていた俳人・詩人にも目がとまり、評を連ねたのでないかな、と。


極北の詩人・西川徹郎。北海道は芦別市・新城峠にある淨土眞宗本願寺派法性山正信寺に生まれ、北海道の地で、創作を続けている文学者です。


<海峡がてのひらに充ち髪梳く青年>

<男根担ぎ仏壇峠越えにけり>

<海女が沖より引きずり上げる無灯艦隊>


第1句集『無灯艦隊』には「生々しい」そして「荒々しい」俳句の数々が記されています。この「生々しさ」「荒々しさ」こそが西川先生の真骨頂であり、厳しい北海道の自然の中で育ったから、様々な苦悩、困難を乗り越えてきたからこそ生まれた句の数々なのでしょう。


10月5日……この日、小笠原賢二・著『極北の詩精神ー西川徹郎論』を携え、私が向かった先は……北海道・旭川でした。

市が尾駅から高速バスにのり羽田空港へ。そして羽田から旭川へ……。



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旭川へ行くのは今回が3度目となります。

1回目は7年前ほどの冬。2回目は3年前、コロナがまだおさまりきらないなかGoToトラベルを使って。

旭川には「西川徹郎記念文学館」があります。西川先生の様々な資料が保存・公開されており拝見したく伺ったのですが……

1回目に伺った時は「冬季休館中」。

2回目に伺った時は「コロナ禍で休館中」。

とのことでした。

とても残念な想いをしたのですが、2回目にお伺いしたとき、「ポストに連絡先を入れて頂きましたら、のちほど資料をお送りします」と書いてあったので、名刺に「2001年小笠原ゼミの卒業生です」と一言添えて名刺を入れてきました。

そしたら何と、後日資料だけではなく、様々な本と、そして西川徹郎先生の奥様でもある、文藝評論家・斎藤冬海先生から直筆のお手紙まで頂戴してしまったのです。

大変、恐縮しました。


そしてそれから3年経ち、今夏のこと。再び斎藤冬海先生からお手紙を頂きました。

そのお手紙は、今年「極北の詩人 西川徹郎学会」が新たに設立されることの報告と、その設立記念式典のご案内でした。


文学から遠く離れ、代書屋稼業で日々を暮らしている私が、果たして、そんな大事な会合に伺って良いものか……逡巡したのですが、この機会を逃せば、西川先生、そして斎藤先生にお会いする機会はないかもしれない……

一度、西川先生にお会いしたいという想いが強く、「出席」と返事を出してしまったのでした。


今年、横浜は酷暑の夏でした。10月になってもまだ、暑いと感じる日があります。その感覚で旭川へ降り立つと、旭川の気候はもうすっかり秋でした。洋服、ちょっと失敗したかなと、もう少し暖が取れる恰好でくるべきだったかな、と。

当日の予定は13時半から第5回西川徹郎記念文学館賞授賞式、そして18時から文学館賞・西川徹郎学会設立記念の祝賀会というスケジュールでした。残念ながら取れた飛行機の時間もあり授賞式は欠席、祝賀会から参加させて頂くこととなりました。

会場は旭川トーヨーホテル。

西川先生のお顔を拝見し、すぐに駆け寄ってしまいました。ずっとお会いしたかった人に、ようやく会うことができました。

図々しく伺ってしまったにも関わらず、西川先生は笑顔で迎えてくれました。そして持ってきた『極北の詩精神』の扉に入った小笠原先生の署名をお見せし、西川先生とつないでくれた小笠原先生のことをお話させていただきました。

「二〇〇四年八月二十五日立川病院にて 小笠原賢二」

この署名は肺癌で入院していた病床で入れてもらった署名でした。そしてこの日が小笠原先生にお会いした最後の日になりました。この署名を西川先生に見て頂いて、この本があったからこそ、最後、お会いできたのかもしれない、そんな話をさせていただきました。

西川先生も「小笠原先生には本当に助けられたんです」と。東京新聞の「大波小波」欄で紹介してもらったことが、北の地で孤独に創作を続けてきた先生にとって、もの凄く励みになったと。そして小笠原先生の紹介がきっかけで、様々に作品が広がっていった、と。

今回学会の名前を「極北の詩人 西川徹郎学会」としたのは、『極北の詩精神』が縁由であると。

いろいろお話させて頂いて少し涙がでました。思いきって伺って良かったな、と。


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かなり恐縮するできこともありました。事前にお願いはされていたのですが……

様々な方々がいる前で「スピーチをしてくれ」と。「小笠原先生のことを語ってくれ」と。成績が良かったわけではなく、なんとか卒業させてもらったような自分が、そんな師を語るなど恐れ多く……

ただ、小笠原先生がご存命であれば、当然、この場にいらして、きちんとした祝辞を述べていたわけで。不肖の卒業生が、代理なんかできるわけはありません、できるわけはないけども、ご縁頂きこの場にいるのであれば、何か、しゃべらなくてはならないのかな、と。

「法政大学小笠原ゼミの元ゼミ生」というまるでゼミ生を代表するかのような紹介には、面映い想いではありましたが、何とか、『極北の詩精神』という本のこと、法政大学小笠原ゼミのこと、西川先生の句に感じたこと……しどろもどろでしゃべってきて……


『極北の詩精神ー西川徹郎論』には、西川先生の前半40年の功績について論じられています。もしその後も小笠原先生がお元気であったのならば、その後の20年も評価し、論じていたはずです。そしてそのことはその他、様々な文学の事象、世の中のこと、この20年を小笠原先生が論じられなかったことが、58歳という年齢で他界されてしまったことが、非常に残念でなりません。

しかし恩師が亡くなってから21年。21年経っても恩師を通じて、こうしていろいろな人出逢える、「文学」というキーワードでいろいろな想いをつなげることができる、そうした時間を過ごせたことが、ただただ嬉しく思うわけで。


いろいろな都合があり、ちょっと駆け足での旭川訪問でした。でも行ってよかったなと。西川先生にお会いできてよかったな、と。


と、いうわけで西川先生にはお会いできたのですが、西川徹郎記念文学館は今回も訪問出来ず。宿題が残りました。しかしまた旭川に行かなくてはならない口実ができたかな、と。


とても心が暖かくなった秋の一日でした。



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10/10金・11土 そごう横浜店地下2階 正面入り口前「行政書士フェスタ2025」 無料相談会(終日、会場に滞在予定です。) 詳細は こちら から。

10/22水~24金 パシフィコ横浜「図書館総合展」 山口大学・ACCS・日行連で構成する「著作権教育Eネットワーク」が出展。(23日、終日会場に滞在予定です) 詳細は こちら から。

11/3月・祝 10:00~15:00 市が尾・横浜市青葉区役所周辺「青葉区民まつり2025」 行政書士会緑支部、無料相談会を実施します。(午前中、会場に滞在予定です) 詳細は こちら から。

11/3月・祝 10:00~15:00 センター南駅周辺「第31回都筑区民まつり」 行政書士会緑支部、無料相談会を実施します。(午後、会場に滞在予定です) 詳細は こちら から

11/13木 13:30~15:30 市が尾・青葉公会堂「オレンジ音楽祭in横浜青葉」 認知症のある人もない人も、障害のある人も。 誰もが音楽でつながり合える“お互いさま”の音楽祭。 行政書士会緑支部にて会場ロビー内、広報ブース出展予定です。 詳細は こちら から

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