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本日の営業情報(11月13日/twitterの仕様変更と最高裁判例と)

更新日:2020年11月17日


最近Twitterの仕様変更がいろいろと行われています。ここ数日では、24時間で投稿が消える新機能「フリート(Fleets)」なるものが出てきました。スマホで見ると、上の方に何か出てるなぁとわかるのですが、デスクトップではこの機能がどこにあるのかわかりません。


さて遡ること1~2週間前、「鬼滅の刃」についてリツイートしてつぶやこうとしたら、「見出しだけでは全体像が見えないことがあります」という表示が出てきました。お???なんじゃコレ??と思い調べてみると、結論から言えば、アメリカ大統領選の影響で注意を促すための表記だったそうなのですが、一瞬、日本の最高裁判例が影響したのか? と思ってしまいました。


その最高裁判例というのがこちらの判例です。

発信者情報開示請求事件(最三小判令和2年7月21日)

原告(控訴人・被上告人):写真家X

被告(被控訴人・上告人):米国ツイッター社


まず簡単に最高裁の判例の一番のポイントですが

・リツイートしただけでも著作権侵害が認められる場合があるよ。

と、いうことです。


事件の概略を説明します。写真家Xが自らの写真に自分の名前等を付記して自分のウェブサイトにアップしていたところ、とある第三者のツイッターアカウントがXに無断でこの写真を投稿。その後このツイートが複数の人によってリツイートされました。このリツイートされた状態の時、ツイッターのタイムライン上には、写真の一部だけが掲載され写真家Xが付記した自分の名前等は表示されない状態になってしまった。そこで写真家XはXの著作権、著作者人格権が侵害されたとして、米国ツイッター社に対し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた、という事件になります。


1審・東京地裁では請求を棄却。次の知財高裁ではリツイートによる著作者人格権侵害を認め、発信者情報の開示を認めたところ、ツイッター社が上告。最高裁で争われることとなりました。最高裁の結論として、上告棄却、つまりリツイートを行うことによって発生した「著作者人格権侵害」を「認める」という判断を下したわけです。



最高裁のホームページには判示事項として3つの点が上げられていいます。それぞれ簡単に説明します。

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 1 著作権法19条1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は,同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要するか

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まず最初の点ですが「氏名表示権」つまり、「著作者」は、作品が利用されるにあたり「自分の名前を載せるか載せないか」ということを決める権利を持っているよ、ということですがこのことは著作権法第19条1項に記載されています。そして21条から27条までには「著作権」と言われる権利のなかにはどのような権利が含まれているのか、複製権、上演権及び演奏権……等々記載されています。

第19条1項では「著作物の公衆への提供若しくは提示に際し」、「氏名表示権」を主張できると記載されているのですが、この「著作物の公衆への提供若しくは提示」は21条から27条に記載されている●●権の利用があった上で主張できるのか? ということについて、今回判断が示されました。

と言うのは「リツイート」という行為は第23条に記載される「公衆送信権等」にはあたらないと、地裁、高裁の判決では一致しています。「公衆送信権等」にはあたらない上で、「氏名表示権侵害」が成立するかどうかは、地裁、高裁で判断が分かれていますが、最高裁は「著作権法19条1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は,同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要しない。」として、侵害の成立を認めました。


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2 インターネット上の情報ネットワークにおいてされた他人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により,上記画像が,著作者名の表示の付された部分が切除された形で上記投稿に係るウェブページの閲覧者の端末に表示された場合に,上記閲覧者が当該表示された画像をクリックすれば,上記著作者名の表示がある元の画像を見ることができるとしても,上記投稿をした者が著作者名を表示したことにはならないとされた事例

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この点、ツイッターを良く利用する人ならわかると思いますが、タイムライン上では写真の一部分しか掲載されていないとしても、そのツイートをクリックすれば、写真の全体を見ることができるようになります。

その写真を見れば氏名表示がされていたしても、それじゃ「氏名表示」をしたことにはならないよ、と最高裁は判断しています。

なおこの判断に対し戸倉三郎判事は「元の画像に著作者名の表示があってリツイートによりこれがトリミングされるケースでは,リツイート者のタイムラインを閲覧するユーザーがリツイート記事中の表示画像を通常クリック等するといえるような事情がある場合には,これをクリック等して元の画像を見ることができることをもって著作者名の表示があったとみる余地がある(そのような事情があるか否かは,当該タイムラインを閲覧する一般のユーザーの普通の注意と閲覧の仕方とを基準として,当該表示画像の内容や表示態様,閲覧者にクリック等を促すような記載の有無などを総合的に考慮して判断することとなろう。)」と補足意見をつけています。


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3 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づく発信者情報の開示請求をする者が,インターネット上の情報ネットワークにおいてされた同人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により,上記写真に係る氏名表示権を侵害された場合に,上記投稿をした者が,同項の「侵害情報の発信者」に該当し,かつ,同項1号の「侵害情報の流通によって」上記開示請求をする者の権利を侵害したものといえるとされた事例

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この点について最高裁判所は「(今回の事件の)下では,上記投稿をした者は,同項の「侵害情報の発信者」に該当し,かつ,同項1号の「侵害情報の流通によって」上記開示請求をする者の権利を侵害したものといえる。」と判断しています。



最後に補足ですが、最初に写真を無断でツイートした行為については、地裁も知財高裁も、公衆送信権侵害、著作者人格権侵害も認めています。だから、「写真の無断掲載、絶対ダメ」ということです。

今回争われたのは「リツイート」した人について。リツイートしただけでも侵害が認められることがあるわけです。ツイッターはいろいろ意見のやりとりができ、発信ができ、便利なツールではありますが、その行為には責任も伴うということを忘れてはいけません。


簡単に触れようと思ったのですがちょっと長くなってしまいました。



▼「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」の資料について

経済産業省が公表しております「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」という資料ですが、本資料は随時更新されています。11月2日更新が行われ、今回は「生産性革命推進事業の公募スケジュール等の記載」が更新されました。本事業においておこなわれる3補助金の最新スケジュールですが、以下の通りとなっております。

1)ものづくり・商業・サービス補助(4次)  

  通常枠・特別枠共通:公募中、申請締切 11月26日(木)17時

  ※5次締切は令和3年2月

2)持続化補助

  通常枠(4次):公募中、2月5日(金)当日消印有効

  特別枠(5次):公募中、12月10日(木)必着(最終受付)

  ※通常枠は令和3年度以降5次締切有


3)IT導入補助

  通常枠(10次)・特別枠(9次)共通:公募中、申請締切 12月18日(金)17時 (最終受付)


【新規ご相談予約】

・本日は終日、予定が埋まっております。新規のご相談は11月17日火曜日以降にお願いいたします。

・ご相談・ご来所はすべて予約制とさせていただいております。メール、電話等でお気軽にご連絡ください。ご予約が無い場合、業務、会務等で事務所を不在にしている場合がございます。

 

【事務局】

・朝9:00~夜18:00までスタッフが電話対応しております。

 御用があります場合はお気軽にご連絡ください。

 TEL:045-900-4435


【代表行政書士は……】

・本日は終日、業務、会務等で外出の予定です。代表への電話も一部時間を除きつながにくくなっております。着信のあった方へは順次折り返しご連絡いたします。

・急な予定変更の際は、上記通りではない可能性もありますのでご了承ください。

・代表行政書士メール nazumi@nazumi-office.com



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