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【雑記帳】新聞にのる数々の憂鬱と、寄席行脚での鬱憤晴らしと


新聞をいつから読み始めたのか、記憶は定かでは無いのですが、おそらくローティーンのころから、必ず毎日、とはいいませんがそれなりに新聞を読み続けてきたと思います。

実家で頼んでいたのは読売新聞。20代はじめて一人暮らしをした時に頼んでいたのは東京新聞、30代結婚してからは日経新聞。日経新聞は途中から紙を頼まなくなり、今は日経新聞と読売新聞を電子版で読んでいます。

それだけ新聞を読み続けているのですが、ここのところ、ふと心をよぎるのが「新聞読むのを辞めようかな」という気持ち。


最近の新聞は中身がない!とか、●●新聞は偏っている!とか、そんな高尚な理由ではありません。


ここのところですね、新聞を開くと(正確には電子版のアプリをスマホで開くと、ですが)憂鬱になるのですよ。

もうしばらく、毎日のように掲載されているコロナの話。そしてここ数か月はウクライナとロシアの戦争。毎日毎日、よくもまぁこんな憂鬱な出来事が、世の中には次から次へとおこるもんだと。たまに明るいニュースもあるのでしょう。多分そんなニュースも読んでいるのでしょう。でも記憶に残っているのは憂鬱なニュースばかり。


そして心はどんどんすさんでいきます。


代書屋稼業をやっているので、一応、憲法ぐらいは目を通したことがあります。しかしそこに書いてある、前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」なんぞ、よくもまぁこんなファンタジーの上に我が国の憲法があったもんだと思ってみたりみなかったり。

太平洋戦争の最中、「敵性言語」だなんだといって野球で「ストライク」が「よし!」になったとか聞いて、馬鹿なことだと思っていましたが、駅のロシア語の案内が隠されたとか、人間ってそんなに変わるものではないのかと思ってみたりみなかったり。

数年前、宗谷岬に行きました。宗谷岬の旧海軍が作った展望台から海を見渡したら、ロシアは目の前にありました。新聞を読んでその距離を心に浮かべるとぞっとします。


いろいろ言いたいことが言えるのは、いろいろやりたいことが出来るのは世の中が平和だからできることなのであって。行きたいように生きることができるのは、人々の努力により平和と安全があってからのことであって。

平和も安全も果たして今の世界では担保されているのか、さらには自分自身は末端でもその努力の一助となっているのか。


新聞を読んでいるといろいろ頭によぎってきてしまうのです。新聞をとるのを辞めて、ニュースを見るのをやめて。世間から目を閉じ、耳を塞いだら……


まぁ、なんの解決にもならないですね。


▼寄席は心の安定剤



と、いうことで楽しい気分を求めて、今年も寄席通いは続けてます。あ、ももクロも、と、いうか高城れにちゃんのソロコンですが、久しぶりに行ってきました。もう、こんな世の中ですから、寄席のチケット代とか、ももクロのチケット代とかも医療費として認めてくれないですかね~。


備忘録的に今年入ってから見た聞いた、寄席、落語会を並べてみますと……


令和4年1月20日 江戸東京博物館小ホール 「桂しん華 私の二つ目昇進を祝ってもらう寄席」

桂しん華「花売り娘」「くず湯」/柳家㐂三郎「リアクションの家元」/桂三木助「午後の保健室」/はらしょう/小笑/八ゑ馬/伸べえ/吉緑/柳若/昇也/なな子/弁橋


……年明け一発目は、桂しん華さんの二つ目昇進を祝う会。二つ目昇進と言っても、なんだかんだ紆余曲折あって、芸歴10年以上のしん華さん。落語の途中に歌声を響かせてくれる(と言っても川柳師匠みたいな感じではなく、オペラ調の美声を)独特な感じの、噺家さんです。いろいろ面白いのですよ。出てくる人が次から次へと、しん華さんの面白トーク。噺家さんとはいえ、まぁ、よくこんだけエピソードがあるなぁ、と。しん華さんの所属する芸協だけではなく、前の所属先、落語協会の噺家さんも出て賑やかな落語会。最近、芸協の寄席ばかりだったので、落語協会の方々の噺を聞けたのが良かった。三木助さんが、柳家喬太郎師匠の「午後の保健室」やってくれた! しん華さんは二席。「くず湯」のおばあさん、可愛くて良かったなあ。このころはまだマンボーですから、声出しちゃいけないんですけどね、笑い声出てしまいました。


令和4年2月11日 新宿末広亭 中席夜 主任=神田伯山

神田伯山「浜野矩随」/瀧川鯉八「東京」/小痴楽/鯉八/A太郎 他


……この日最初の予定では、笑点新レギュラーの宮治さんが、披露目以来の主任。そして伯山、小痴楽、鯉八らが集まっていた伝説のユニット「成金」のメンバーが勢揃いということで、寄席としては異例の、チケットがプレイガイドで前売発売となった、新宿・末広亭の二月中席。チケット争奪戦を勝ち抜けたので、初日行ってきました…が…主任の宮治さんが、コロナのみなし何ちゃらでまさかの欠場。非常に残念!…ではあったのですが、トリの代演を務めた、伯山先生まで、みんなはっちゃけぱなしで、4時間笑い疲れました!

伯山先生は「浜野矩随」。お母さん死なないパターン。観音様を掘り上げたあとの矩随が、めちゃくちゃいい!泣けたなあ。鯉八さんの「東京」。初めて聞いたけど、めちゃくちゃ面白かった。お米を粗末にすると、お百姓さんは泣くのか、泣かないのか。途中3回、笑いで胃がつりそうになった。宮治さん残念だけど、小痴楽、鯉八、A太郎、他全員最高だった!

こんな寄席はなかなかないぞ!


令和4年3月31日 新宿末広亭 余一会昼 笑福亭鶴瓶・べ瓶 親子会

鶴瓶「らくだ」/べ瓶「明石飛脚」「妾馬」


……少し上方の噺を聴きたい! と、思っていたところ、べ瓶さんが師匠鶴瓶と親子会を末広亭でやるというので、思わずチケットを購入。べ瓶さんは「明石飛脚」と「妾馬」の二席。明石飛脚は上方特有の噺なのかな? 初めて聴きました。小噺の延長のような噺でしたが、わかりやすく面白い。「妾馬」、大阪弁の八五郎、初めて聴きましたが、べ瓶さんの八五郎がめちゃくちゃ良い! 妹を想う、母を想う、八五郎がとても素敵で。思わず最後、ついつい涙が。

散々テレビでみている鶴瓶ですが、生で落語を聞くのはこれが2回目。以前聞いた時は「青木先生」という漫談みたいな新作だったので、ちゃんと古典を聞くのは初めて。演じたのは「らくだ」。枕無しでいきなり本編に。大阪弁で「屍人つれてきてカンカンノウ踊らせたる!」と捲し立てる様子が迫力があり、また同時に面白く。下げも最後にらくだが生き返り、紙屑屋に「ヒヤならもう一杯」を言わせる独特な下げでコレはコレで良いなと。

一時間以上の熱演、見事でした!

「らくだ」はこれまで、桂伸治師匠のらくだがとても好きだったのですが、鶴瓶のは鶴瓶のでいいなぁと。いろいろ聞いてみるもんだ!


令和4年4月11日 新宿・無何有 桂しん華「華麗なるしん華」

しん華「猫と金魚」「レヴューラブレター」「猫の皿」


……1月以来のしん華さん。と、いうかしん華さんお一人の勉強会に初めて足を運んでみました。突然歌いだしたり、オペラ調で落語に入っていったり、いや、いいなぁと。これはこれでいいのですよ。着物来て、帯しめて、良くあんな声が出せるなぁと、妙に関心してみたり。しん華さんの「猫と金魚」ははじめて聞きましたが、うん、良かった。なんかほんわかした気分になれる、しん華さんの落語です。


令和4年4月12日 神楽坂・香音里 六連会

瀧川鯉丸「鮑のし」/三遊亭吉馬「やかん」/桂竹紋「熊本西南戦争」


……例えば鯉八さんの新作とか、しん華さんの歌う高座とか、そういうのも大好きなのですが、本格的なしっかりとした高座も好きでして。そんなしっかりとした高座を聞きたい気分の時、ちゃんと聞かせてくれるのが鯉丸さん、ということで、昨年から度々、六連会に通っています。この日も鮑のし、うまかったなぁ。しかしこの日、ずしんと心に響いたのが竹紋さんの新作「熊本西南戦争」。できたばかりの新作だそうで、竹紋さんの出身地熊本愛から生まれた、西南戦争を題材にした地噺。竹紋さんは史実との差異を気になさっていたが、そんな細かいことは気になさらず、噺がどんどん成長するといいなぁと。講談だけど赤垣源蔵は、史実ではお兄さんもいなければ、下戸だったというし。非常に心に響いたお話でした。



まもなくゴールデンウィーク。ゴールデンウィークもいろいろ行きたい寄席、イベントはあるのですが。どこにも行かずちょっとゆっくり休んでみたいなぁと思ってみたりみなかったり。


雑談、お付き合いいただきありがとうございました。


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