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【鉄道ブログ】27,000Kmの旅日記011/最北の鉄道・宗谷本線編(11)

更新日:2020年9月19日


 下りの特急列車「宗谷」稚内行が出発して数分、13分間の停車を終えて、宗谷本線普通列車上り名寄行は再び動きはじめた。次の駅は「上幌延駅」。残念ながら令和3年3月に廃駅になってしまう駅の一つだ。写真は雪に覆われているため分かりにくいが、この駅は盛土の上に駅が設置されている。このことが、板張のホームと比較すると維持に比較的高額な費用が係りことも廃止の理由の一つとなったようだ。


 電車は「南幌延駅」「安牛駅」と続いていく。南幌延駅は存続することとなったが、安牛

駅は上幌延駅同様、盛土の上に建設された駅であることから、廃止することとなってしまった。


 雪、雪、雪……ここまでの車窓のほとんどはサロベツ原野を覆う雪原の景色だった。しかしこのあたりから、景色は少しかわりはじめる。幌延町の隣、日本海に面した天塩町に河口を持つ天塩川は

、幌延町に入り、幌延駅の先から、宗谷本線と平行するように流れるようになる。北海道で石狩川につぎ、2番目の長さをほこる天塩川は、標高1,558mの山、天塩岳を源流とするが、宗谷本線の車窓に、また美しい景色を提供してくれている。

 宗谷本線は「糠南駅」「問寒別駅」と進み、この当たりから、白樺林の中を電車が進むと、時折、車窓に天塩川が現れるようになる。ところどころ、凍結しているように見える部分もあるが、白い樹々の中を縫って流れる雄大な川の流れは、とても美しい。雪原の風景もあれば、このような川の流れも車窓に飛び込んでくる、宗谷本線の車窓は本当に見てて飽きない、素晴らしい景色の連続だった。

 

天塩川と平行して走る間に、「天塩中川駅」や「音威子府駅」などいくつか大きな駅を通過する。「音威子府駅」には、「音威子府そば」という「駅蕎麦」屋があり、大変おいしいらしい。しかしここでおりてしまうと、次の普通列車までは4時間、ここですごさなくてはならなくなってしまう。少し時間をおいて、今後はゆっくりとクルマでこの周辺を旅し、「駅」を楽しみたいなとも思ってしまった。



 旅は進む、宗谷本線は走る。天塩川と平行し走り続け、いくつかの駅を通り過ぎ、13時54分、電車は「美深駅」に到着した。稚内駅を出てからすでに3時間以上が経過している。車窓からの写真なのでわかりにくいが、ここの駅も立派な駅舎だ。立派な駅舎の駅はかつて、乗りかえ駅であった駅が多い。ここ美深駅も昭和60年9月までは「美幸線」の始発駅であった。  

 さあ、ここまでくればこの電車の終点、名寄まではあと少しである。しかし宗谷本線はまだその先がある、その先をどうするか、そもそも今日、どこまで行くのか……そろそろ考えはじめなくてはならないところまでやってきた。



(写真1)上幌延駅。廃駅間近ということで、余計に哀愁を感じる

(写真2、3)南幌延駅、安牛駅。

(写真3)問寒別駅。

(写真4)車窓から見える天塩川。

(写真5=動画)天塩川と並行して走る宗谷本線。


※この投稿は平成30年12月に現地へ行った際の記録、撮影した写真です。

※次回は令和2年9月19日(土)に更新します。毎週土曜更新が目標です。

※平成31年1月分の鉄道輸送統計調査における旅客営業キロの全国合計は27,787.2Km

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