【行政情報】デジタル時代の遺言書制度「中間試案」、各団体からの様々な意見
- 那住行政書士事務所
- 9月3日
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更新日:6 日前

デジタル時代における遺言制度をどうするか、議論をまとめた「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」が公表されました。
中間試案の中身、議論の推移については、
令和7年8月18日に投稿した
【行政情報】遺言書制度の法改正:デジタル時代に対応した遺言書制度「中間試案」まとまる。~見えてきた新時代の遺言制度
にまとめております。
そして中間試案の文書は以下の通りです。
◆民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案
◆民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案の補足説明
◆民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案に関する参考資料
▼中間試案に対する各団体等からの意見
現在、この中間試案に対する、パブリックコメントの募集が行われています。締め切りは令和7年9月24日です。
「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集
この中間試案に対して、各団体からの意見表明がこの後、出されることと思います。現時点(令和7年9月4日)時点では日本弁護士会連合会からの意見表明が出されています。。このページでは各団体からの意見表明が確認され次第、情報をとりまとめたいと思います。
◆日本弁護士会連合会
「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」に対する意見書
要点は以下の通りです。
電子遺言制度への基本姿勢
新しいデジタル方式の導入自体には賛成。ただし方式ごとに評価が分かれています。
・甲1案(証人立会型):賛成。本人確認や真正性担保に優れ、録音・録画で不正防止にも効果的。ただし「ウェブ会議での立会い」や「趣旨だけの口述」には反対。
・甲2案(証人不要型):反対。証人を省くことで外部干渉のリスクが高まり、法律上の担保も不十分。省令に委ねるのは適切でないと強調。
・乙案(電子データを公的機関で保管)/丙案(紙に出力して公的機関で保管):賛成。いずれも法務局等での保管が前提で、信頼性や発見可能性に優れると評価。
技術とAIへの懸念
・生成AIによる遺言文作成サービスについて、遺言者の意思形成を歪める恐れがあり、非弁行為の問題もあると明確に警鐘を鳴らしている点が特徴的です。
検索・保管制度の一元化提案
・自筆証書遺言、公正証書遺言、そして新方式の電子遺言を横断的に検索できる一元的なシステム整備を求めています。これは実務の利便性を大きく高める提案です。
利用者保護の視点
・高齢者や要介護者などが制度を安心して利用できるよう、本人確認の厳格さ、撤回の明確なルール、誤解や不利益を生じさせない設計を重視すべきとしています。
まとめると、日弁連は「新制度そのものには前向きだが、安全性に疑問のある案(甲2案)は強く反対」「AI利用や制度の隙間に潜むリスクに警鐘」「実務的には検索・保管の一元化を強く提案」という立場を表明しています。
◆東京弁護士会
「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」に対する意見書
◆司法書士会
司法書士会からは今のところ(9月4日現在)公表されている、意見書は無いようです。公表されましたら追記します。(本記事初出時、誤って別の記事の下書きを掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。)
◆行政書士会
行政書士会からは今のところ(9月4日現在)公表されている、意見書は無いようです。日本行政書士会連合会でパブリックコメントを作成しているとも聞いておりますので、公表されましたら追記します。
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