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執筆者の写真那住行政書士事務所

【ワンポイント法務】相続9~在日外国人の相続(24.08.21)


暮らしに役立つワンポイント法務。日々の生活、皆様の事業で役立つ話を更新していきます。


相続はある日突然やってきます。そしてどんな人にもやってきます。いざ相続が始った時、どのような手続きをとっていったらよいのか、具体的にお話を続けていきます。

今日は「在日外国人の相続」についてのお話です。


在日外国人の相続については、どこの国の法律が適用されるのか


在日外国人の方がお亡くなりになり相続がはじまったとき、まずは、どこの国の法律が適用されるのかという点が問題になります。結論から申し上げると、被相続人(亡くなられた在日外国人)の方の本国の法律が適用されることとなります。また、在日外国人の方が、あらかじめ遺言を遺して置くというケースもあるでしょうか、この遺言についても、本国法が適用されることとなります。

これは「法の適用に関する通則法」という法律によって、そのように定められているためです。


 

法の適用に関する通則法

(相続)

第三十六条 相続は、被相続人の本国法による。

(遺言)

第三十七条 遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。

2遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。


 

いくかの国について、具体的にみていきましょう。


▼アメリカ合衆国

アメリカは州により法律が異なる国です。その場合、法の適用に関する通則法では「当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする」(第38条3項)と定めています。アメリカの場合、括弧書きの部分が適用となりますので、当該被相続人の出生地、親族の居住地から、どこの州の法律が適用されるのか判断していくことになります。

 多くの州では、不動産についてはその不動産の所在地、動産については被相続人の死亡当時の住所地の法とされているケースが多いので、多くの場合、日本の法律が適用される可能性が高いということになります。


▼韓国

韓国の相続法においては、日本と相続の順位が一部異なります。配偶者が常に相続人なる点は同じですが、相続順位は①直系卑属、②直系尊属、③兄弟姉妹、④4親等以内の傍系血族となります。③、④は配偶者がいる場合は相続人になりません。

韓国の法律では相続の準拠法は被相続人の本国法となりますので、韓国の法律が適用されることとなります。


相続人であることをどのように証明するか


日本人の場合「相続人であること」を証明する方法として、一般的には戸籍謄本を過去にさかのぼって取得し、戸籍のつながりで証明することとなります。(詳しくは後日、ご紹介します。)

しかし日本のような戸籍制度を整えている国はほとんどありません。韓国も以前は日本と同じような戸籍制度がありましたが、2008年1月に廃止されてしまいました。


 そこで「相続人であること」を証明する方法として、多く利用されているのが「宣誓供述書」の作成です。この書類を作成することで、通常の相続手続きに必要な「戸籍謄本」「住民票」「印鑑証明」の代わりとなる効果があります。

 「宣誓供述書」は公証役場に公証人が、私署文書に対して公証人の面前で宣誓した上で、その旨を認証する制度です。文書の真実性、正確性を担保する書類になります。


Point!

相続にかかる身分関係等に関する宣誓供述書

添付書類:相続人の印鑑登録証明書

     (他に書類が必要となる場合もあります)

期限  :相続開始後

宣誓者 :相続人

作成場所:公証役場

作成費用:11,000円


 宣誓書を作成した上で、遺産分割協議書を作成するなど、その他の手続きは、日本人が被相続人である場合と同じになります。



迷ったら、行政書士にご相談ください



重要なのは、焦らずに必要な情報を集め、適切に手続きを進めることです。相続は、人生の大きな節目の一つです。手続きをスムーズに進めることで、故人の遺志を尊重し、遺族が新たな一歩を踏み出せるよう、しっかりと進めていきましょう。


また、日頃から遺言書を作成し、相続財産の把握を行っておくことも大切です。これにより、相続が発生した時にスムーズに手続きを進めることができます。相続について不安がある方は、早めに行政書士等専門家に相談し、適切な準備を進めることをお勧めします。


今日は、「在日外国人の相続」についてご説明しました。さて次回は、「戸籍の収集について」ついてご説明します。


初出2024/8/21



※本記載は投稿日現在の法律・情報に基づいた記載となっております。また記載には誤り等がないよう細心の注意を払っておりますが、誤植、不正確な内容等により閲覧者等がトラブル、損失、損害を受けた場合でも、執筆者並びに当事務所は一切責任を負いません。


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