【ワンポイント法務】相続2~そもそも相続とは何か
- 那住行政書士事務所

- 1 日前
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日々の暮らしや、皆さまの事業の中で
「知っておくと役に立つ法務の知識」を、分かりやすくお伝えしています。
前回は、相続の全体像についてご説明しました。
今回は、そもそも 「相続とは何か」 という基本から確認していきます。
相続とは何でしょうか
相続は、ある日突然やってきます。そして、どんな人にも必ず訪れるものです。
では、そもそも相続とは、どういう制度なのでしょうか。
財産も借金も「まとめて」引き継ぐ
― それが相続です ―
相続とは、亡くなった方の
さまざまな「権利」や「義務」を、その親族などが 包括的に引き継ぐことをいいます。
原則として、
プラスの財産(不動産、預貯金、現金など)
マイナスの財産(借金、保証債務など)
を すべてまとめて承継する のが相続です。
プラスが多ければ安心ですが、マイナスの財産があると、不安になりますよね。
だからこそ、相続手続きは慎重に、一つ一つ丁寧に進める必要があるのです。
相続は「民法」で定められています
相続に関する基本的なルールは、民法という法律に定められています。
代表的な条文を見てみましょう。
民法
(相続開始の原因)
第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。
(相続開始の場所)
第八百八十三条 相続は、被相続人の住所において開始する。
……
(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
難しく見えますが、要点はシンプルです。
相続は、人が亡くなった瞬間に始まり、
原則として、その人の財産も借金もすべて引き継ぐ
ということです。
「相続人」と「被相続人」
ここで、用語を整理しておきましょう。
被相続人 → 亡くなった方のこと
相続人 → 被相続人から財産を引き継ぐ人 (民法で一定の範囲が決められています)
相続人が選べる「3つの方法」
「借金まで全部相続しなければならないの?」そう感じる方も多いと思います。
そこで民法は、相続人が選択できる3つの相続方法を用意しています。
① 単純承認
プラスの財産も、マイナスの財産も、すべてそのまま相続する方法です。
② 相続放棄
プラスの財産もマイナスの財産も、すべて相続しない方法です。
相続人ごとに選択可能
家庭裁判所への申述が必要
③ 限定承認
主に、「借金がどれくらいあるか分からない」という場合に使われる方法です。
相続財産の範囲内でのみ責任を負う
相続財産を超える借金は負わない
相続人全員で、家庭裁判所に申述が必要
財産目録の作成が必要
相続方法の選択には期限があります
相続放棄や限定承認は、
「自己のために相続が開始したことを知った時」から3か月以内
という期限があります。
何もしないまま期限を過ぎると、単純承認したものとみなされる場合があります。
(単純承認の効力)
第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
(限定承認)
第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
……
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
相続方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。
どれを選ぶべきかは、財産や家族関係によって異なります。
迷ったら、行政書士にご相談ください
相続は、誰もが経験する可能性のある出来事ですが、人生で何度も繰り返すものではありません。
専門的な判断が求められる場面も多く、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
行政書士は、
相続関係書類の作成
戸籍収集や手続き整理
相続放棄・限定承認のサポート
などを通じて、相続手続きを支える専門家です。
迷ったら、早めにご相談ください。
今回は、「そもそも相続とは何か」についてご説明しました。
次回は、「誰が相続人になるのか」について解説します。
初出2024/8/2 更新2026/01/07
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