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【鉄道ブログ】27,000Kmの旅日記010/最北の鉄道・宗谷本線編(10)

更新日:2020年9月14日


週末は法務以外のお話を書いていきたと思います。前回までは こちら から 鉄道ブログのメインページができました こちら から。 ……… 

 再三本稿で触れてきているが、宗谷本線は今、存廃問題に揺れている。ここまで旅をしてきた駅の

ほとんんどが、一日の利用者数1人以下という現状ではしょうがない部分もある。しかし人が使わないからと言って、どんどん縮小されていけば、ますます利用者は減ってしまうわけで。「極端に利用者の少ない駅」の廃止は、今にはじまったことではなく、ここ数年宗谷本線のみならず、北海道の各路線で繰り返し行わてきたことだ。残念なところでは、その後災害で不通区間が発生し、そのまま廃止へと進んでいった区間もある。できることなら、これ以上、北の大地を走る鉄道にそんな哀しい思いが巡るようなことは起きてほしくない。



 天塩郡幌延町には現在、8つの宗谷本線の駅が存在している。JR北海道はこの8つの駅のうち、幌延駅以外の7つの駅に対して「極端に利用者の少ない駅」にあたるとして、令和元年12月3日、廃止の方向であることを幌延町側に伝えた。

 ここまで記してきた通り、ほとんどの駅が、コンテナ駅舎などの簡易な作りである。それでも駅として存在する以上、「安全確保のための補修」「清掃等の費用」「除雪・除草」「それらのための人件費」などもろもろ費用がかかる。赤字路線を維持していくためには、路線全体で費用負担を軽くしていくということも、JR北海道としては決断しなくてはならないことなのだろう。


 この申し入れに対し、幌延町は一つの決断をした。7つすべての駅を今後も維持していくのは難しいものの、地域の足として、また「秘境駅」等の観光資源として「駅」が存続していくことは町にとって有益であると考えた。そこで「上幌延駅」「安牛駅」の2駅に関しては、廃止はやむを得ないもの、残り5駅「下沼駅」「南幌延駅」「雄信内駅」「糖南駅」「間寒別駅」に関しては、幌延町の管理する駅として、存続させることを決断したのだ。令和3年3月から、5駅は幌延町の管理する駅として存続することとなった。幌延町の方針をみていると大変心強い。この5駅を、ただ町の観光資産として維持させようというのではなく、宗谷本線全体の未来像、利用促進策まで考え、検討にあたっている。

 ちょっと長くなるが、幌延町の方針を引用すると「地域の足で町民皆さまにご不便をお掛けすることがないよう地域公共交通の整備に向けた検討を進めるとともに、維持存続する無人駅等を活用した各種取組を進めながら、鉄道があることで地域に旅人が立ち寄り、そして地域の皆さまとの交流を通して「幌延町って素敵な町だね…」と全国の皆さまが「幌延ファン」となっていただけるような地域づくりを目指してまいります」とある。


 地方の財政は厳しい。鉄道のおかれている環境も厳しい。しかし厳しいと言っているだけでは、町も鉄道もどんどん衰退していってしまう。究極的なことを言えば、経済を回す一番の原動力は、多くの人に集まってもらうことである。廃駅、廃線はその真逆をいく政策でしかないと思う。一企業で限界があるのであれば、自治体と手をとりあって、何とか素敵な北海道を維持してもらいたいと思うのだ。



(写真1)幌延駅に止まる宗谷本線。特急とのすれ違い待ち中。

(写真2)幌延駅1番線、稚内よりの端。

(写真3)幌延駅2番線の案内版、「上幌延駅」は令和3年3月に廃止予定。この案内版も変わることになる。


※この投稿は平成30年12月に現地へ行った際の記録、撮影した写真です。

※次回は令和2年9月12日(土)に更新します。毎週土曜更新が目標です。

※平成31年1月分の鉄道輸送統計調査における旅客営業キロの全国合計は27,787.2Km

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