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NEWS CLIP|気になった法務・政策ニュース|2026年8月28日 from那住行政書士事務所


夏の終わりというと、子どもの頃はツクツクボウシの声や、少し短くなった夕暮れに気付いて、「ああ、夏休みが終わるな」と思ったものです。ところが大人になると、季節の変わり目を知らせてくれるのは、虫の声よりスーパーの売り場だったりします。梨やぶどうが目立つ場所に並び、店の一角には早くも秋を意識した商品が顔を出す。まだ8月なのに、世の中の暦だけがこちらを置いて先へ進んでいるような気がします。


政治の世界では、暦以上に急に景色が変わることがあります。横浜市政は、まさに今日、大きな節目を迎えそうです。一方、永田町では政党再編をめぐる思惑が揺れ、自治体ではまたしても著作権をめぐる問題が表面化しました。


今日は次の5本を取り上げます。


01|横浜市長、辞職へ

02|立憲民主党、3党合流を当面見送り

03|新居浜市、イラスト無断使用で賠償

04|熊本地震から1か月

05|法政士業の会「少子高齢化時代の終活と相続について」



那住行政書士事務所HP https://www.nazumi-office.com/

01|YOKOHAMA/POLITICS|山中竹春市長、ついに辞職へ――ここまで引っ張る必要があったのか


横浜市政が、風雲急を告げています。


職員へのパワーハラスメントが第三者調査で認定され、その後も続投する意向を示していた山中竹春横浜市長が、一転して辞職する意向を固めたと複数のメディアが報じています。今日28日に開かれる後援会の会合で支援者へ説明し、辞意を表明する方針とされています。現時点ではまだ本人による正式な表明前ですから、あくまで「辞職の意向を固めたとの報道」という段階ですが、1月から続いてきた問題は、ようやく大きな局面を迎えます。

それにしても、ずいぶん長く引っ張りました。


問題が表面化したのは今年1月。前人事部長による内部告発を受けて第三者による調査が行われ、人事をめぐって「飛ばす」「粛清」などと発言したことや、職員を「ポンコツ」「人間のくず」などと呼んだことなどが、パワーハラスメントとして認定されました。山中市長自身も、8月13、14日の市議会総務委員会で調査結果をすべて受け入れると謝罪しています。


普通に考えれば、そこで進退の話になります。


ところが山中市長は辞職せず、信頼回復に努めるとして続投の意思を示しました。これに対して、前回の市長選で山中氏を支援した自民、公明、立憲民主の各会派までが共同で辞職を要求。辞職しなければ、9月上旬に開会する市議会定例会の冒頭で不信任決議案を提出することまで検討される状況になっていました。


私は13日の総務委員会をかなり長い時間、ネット中継で見ていました。


そこで感じたのは、残念ながら「自分の言葉で語っている」という印象の乏しさでした。何を言えば続投できるのか、どう説明すればその場をしのげるのか。もちろん本人の内心など分かりません。しかし少なくとも私には、市民や職員に向き合うというより、自らの進退をどう守るのかという方向へ意識が向いているように見えました。あの時点で辞職していれば、ここまで市政をこじらせる必要はなかったのではないでしょうか。


しかも山中市長は、7月28日を最後に、それまで隔週で行われていた定例記者会見を1か月にわたり開催していません。報道各社から開催を求められても応じず、総務委員会翌日の15日以降、市が公開する市長行動記録も「外出」という記載が目立つ状態になっています。


市長という職は、本人の再生のために存在するものではありません。


横浜市には約370万人の市民が暮らし、巨大な行政組織が毎日動いています。福祉も教育も都市計画も防災も止まりません。「自分は変わりますので、もう一度チャンスをください」という話と、「だから市長職を続けてよい」という話は別なのです。


政治家の進退がおかしな方向へ向かうとき、本人が「辞めるか、辞めないか」を自分自身の問題として考え始めることがあります。しかし公職なのですから、判断基準はそこではない。その人が職にとどまることが、市民にとって利益になるのかどうかでしょう。

もし報道どおり辞職願が提出されれば、その後は一気に市長選へ向かいます。公職選挙法上、市議会議長から市選挙管理委員会への通知がなされた翌日から50日以内に市長選挙が行われることになります。


誰が立候補するのか。これまで山中市長を支えてきた各党はどう対応するのか。そして来春には統一地方選挙も控えています。


ただ、次の市長選を単なる「山中市政の後始末」にしてはいけないでしょう。

370万人都市・横浜を、この先誰が、どう運営するのか。

今度こそ、候補者のイメージやキャッチコピーではなく、その中身をきちんと見たいと思います。


参考:

横浜市長が辞職へ 28日の後援会で表明か パワハラ問題受け



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02|POLITICS|立憲民主党、3党合流を当面見送りへ――そもそも何のための合流だったのか


中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党による合流構想が、いったん立ち止まることになりそうです。


立憲民主党は27日の3党幹事長会談で、8月末までに合流を判断することは難しいとの考えを中道、公明両党に伝えました。背景には所属議員や地方組織からの根強い反対論があり、今日28日に3党党首会談を開き、立憲側から正式に方針を伝える見通しです。公明党側も、現時点での合流見送りを視野に対応を検討していると報じられています。

この結論自体は、私はそれほど不思議だとは思いません。むしろ、当然でしょう。


来春には統一地方選挙があります。地方議員は、国会議員の政局ゲームの駒ではありません。日々、地域を歩き、有権者に党名を名乗り、その看板を背負って選挙を戦っている。永田町の会議室で「この党とこの党を足せば議席が増える」と計算したところで、地方では、昨日まで別々の党だった人たちが、なぜ明日から同じ党になるのかを有権者に説明しなければなりません。


3党は8月末をめどに結論を得るとしていました。この結論が結局は、合流しない方向に舵を切ったことになります。地方組織から「ちょっと待ってくれ」という声が出るのは、むしろ健全だと思います。


政治には選挙がありますから、合従連衡そのものを否定するつもりはありません。しかし政党を一緒にするというのなら、本来は選挙の算数より先に、「この人たちは一緒になって何をするのか」が見えなければならないでしょう。安全保障や原発、社会保障、憲法といった国の根幹に関わる政策について、それぞれの党がこれまで掲げてきた考えには当然違いがあります。その違いをどう整理し、どこなら一致でき、どこは一致できないのか。そこを丁寧に説明して初めて、「だから一つの政党になるのです」という話につながるはずです。


ところが、今回の合流論を見ていると、どうにもその順番が逆に見えます。まず選挙があり、次に議席数の計算があり、そのあとで党の形を考える。それでは、有権者から「選挙互助会ではないのか」と見られても仕方がありません。


政党というものは、本来「誰と一緒になるか」よりも、「何を実現するために存在しているのか」の方が重要なはずです。


A党とB党を足せば、A党の支持者とB党の支持者もそのまま足し算される――そんな便利な算数が成立するのであれば、政治はずいぶん簡単です。

統一地方選まで、あと約7か月。

急いで看板を掛け替えるより、それぞれの党が一度、自分たちは何をするための政党なのかを有権者に示す。その方がよほど先ではないでしょうか。



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03|COPYRIGHT|「ネットにあったので使いました」では済まない――新居浜市、イラスト無断使用で35万2000円


愛媛県新居浜市が、市発行の「瀬戸会館だより」などでイラストを無断使用していた問題で、著作権者に35万2000円を支払い、和解することになったと報じられています。

しかも、問題となったイラストは長期間にわたって使用され、市のホームページにも掲載されていたというのです。


こういうニュースは、「自治体がまたやらかした」という話だけで終わらせない方がいいと思います。


会社でも、学校でも、町内会でも、士業事務所でも、同じことは簡単に起こります。

チラシを作っていて、空いている場所に何かイラストが欲しくなる。PowerPointの資料が文字ばかりなので、ちょっと写真を入れたくなる。そこで画像検索をして、「これ、ちょうどいいじゃない」と右クリックして保存する。

たったそれだけです。


しかし、Google画像検索は「ご自由にお使いください素材集」ではありません。


当たり前の話なのですが、ここを勘違いしている人は、まだ驚くほど多い。

さらに厄介なのは、「無料素材」と検索して出てきたから無料だと思った、というケースです。検索結果に表示された画像そのものが自由に利用できるわけではなく、実際の配布元へ行き、利用規約を確認しなければなりません。商用利用は可能なのか、加工は可能なのか、クレジット表示は必要なのか、Web掲載と印刷物で条件は違わないのか。そこまで確認して、初めて「使える」と判断できます。


そして、これはAI時代になっても同じです。「AIが出してきた画像だから大丈夫」「生成AIに作らせた文章だから著作権問題はない」と思い込むのも危険です。技術が新しくなったからといって、権利確認という古典的な作業が消えるわけではありません。むしろ素材の出所が見えにくくなる分、利用する側には以前より慎重さが求められる場面もあります。

自治体の場合はさらに問題があります。


賠償金の原資は税金です。


担当者が画像を一枚無断使用した。その結果、自治体が賠償金を支払う。もちろん故意ではなかったのでしょう。しかし、「知らなかった」で35万2000円が消えるのなら、組織としては著作権研修や素材管理の仕組みにもう少し真剣になった方が安い。著作権事故の多くは、高度な法律論から起きるわけではありません。


「これくらいならいいだろう」。たいていは、その一言から始まります。そして皮肉なことに、行政機関も企業も、自分たちが作った写真やイラスト、ロゴについては「無断転載禁止」としっかり書いていることが多い。自分の著作権には敏感で、他人の著作権には少し鈍感。人間というものは、なかなか都合よくできています。



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04|DISASTER/POLICY|熊本地震から1か月――ニュースが減ってから始まる、もっと長い時間


7月28日に発生した令和8年熊本地震から、今日で1か月となります。


国土交通省は昨日27日現在でも被害状況の取りまとめを続けており、すでに第50報に達しています。さらに昨日早朝には熊本県天草・芦北地方を震源とする最大震度3の地震も観測されました。発災から1か月という節目を迎えても、被災地域にとって地震が「過去の出来事」になったわけではありません。


災害直後には、多くの人が被災地を心配します。テレビも新聞も連日報じ、支援物資が届き、募金が集まり、政治家も現地へ入る。しかし一か月、二か月と時間が経つにつれ、全国ニュースで扱われる時間は少しずつ減っていきます。被災地では、そこからが長い。


壊れた家をどうするのか。仕事を再開できるのか。農業や商売を続けられるのか。住宅ローンを抱えたまま建て直せるのか。避難生活を終えても、元の暮らしに戻れるのか。「復旧」という二文字の裏には、一人一人の生活があります。


行政の災害対応を見ていると、ときどき「予算を付けた」「支援制度を作った」というところで話が完結してしまうことがあります。しかし行政にとっての事業開始は、被災者にとっての生活再建の始まりにすぎません。


補助金を創設した。相談窓口を開設した。道路を応急復旧した。行政文書にすれば、どれも一行で書けます。しかし、その一行の向こう側には、家を失った人や、店を閉めざるを得なくなった人や、この土地に住み続けるのか悩んでいる人がいる。政策評価で本当に見るべきなのは、制度を何本作ったかではなく、それによって生活がどこまで戻ったのかでしょう。


そして災害が続く日本では、「元に戻す」だけでも十分ではありません。同じ場所で同じ災害が起きたとき、同じ被害を繰り返さないために何を変えるのか。道路や河川といったハードだけでなく、避難、福祉、地域交通、住宅、事業継続まで含めて考えなければなりません。


1か月というのは、ニュースにとっては一区切りかもしれません。被災地にとっては、おそらくまだ始まったばかりです。


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05|LIFE/LAW|「終活」は死ぬ準備ではなく、生きているうちに決めておくこと――法政士業の会が公開講座


最後は少し雰囲気を変えて、お知らせを兼ねた話題です

法政大学リカレント教育オフィスが10月5日、19日、26日の全3回で、一般市民向けの法律教養講座「少子高齢化時代の終活と相続について」を開催します。


この講座を提供するのが、私も所属している「法政士業の会」です。


法政大学では2023年にも「相続問題の基礎知識」をテーマとした講座を開催しており、今回はそこからさらに一歩進め、「家族の多様化」や「おひとりさま」といった現在の社会状況を踏まえながら、終活と相続について考える内容になっています。


第1回は10月5日。弁護士の三山晃司先生が「相続はじめの一歩~誰もが直面する“おひとりさま時代”の備え~」をテーマに話します。第2回の19日は、行政書士の吉田安之先生による「おひとりさまも安心!人生の終活まるわかり講座」。エンディングノートから死後事務委任、遺言、相続までを扱います。そして第3回の26日は、税理士の宮田雅世先生が相続税と贈与税、新しい生前贈与について解説します。


弁護士、行政書士、税理士。


同じ「相続」というテーマを扱っていても、専門家によって見る場所は少しずつ違います。法律問題だけで終わらず、実際の手続、そして税務までを横断して考えられるところが、士業横断型の講座の面白いところでしょう。


私自身、仕事で相続や遺言の相談を受けていると、「亡くなった後に家族が考えればいい」と思っている方が少なくないことを感じます。


でも、本当に選択肢が多いのは、生きている間です。


誰に財産を残すかという話だけではありません。自分で判断することが難しくなったとき、誰に支えてもらうのか。病院や施設との契約はどうするのか。亡くなった後の葬儀や納骨、住居の片付け、各種サービスの解約を誰に任せるのか。こうした問題まで考えると、いま私たちが「終活」と呼んでいるものは、実は相続よりずっと広いテーマなのだと分かります。

そして、「家族がいるから大丈夫」とも限りません。


未婚の人も増え、子どものいない夫婦もいる。子どもがいても遠方に暮らしている場合があり、親族とは疎遠というケースもあります。「いざとなれば長男が全部やる」という昭和型の家族モデルを前提に人生の最後を考えること自体が、もう現実に合わなくなってきています。


終活という言葉には、どうしても「死ぬための準備」という少し暗い響きがあります。

でも、私はむしろ逆だと思っています。

自分で決められるうちに、自分のことを決めておく。

何が起きても家族が困らないようにしておく。

そして、自分自身も余計な心配を抱えずに、その後の人生を過ごす。

本来の終活とは、死に向かう作業ではなく、これからを安心して生きるための整理なのだと思います。


講座は3回とも19時から20時30分まで、Zoomによるオンライン開催です。受講料は無料で、法政大学の卒業生に限らず、テーマに興味のある方なら参加できます。定員は各回150名、先着順となっています。


「相続なんて、まだ先の話」と思っている方にこそ、聞いていただきたい講座です。


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あとがき


8月の終わりになると、子どもの頃に読んだ本を妙に思い出します。

夏休みには「読書感想文」という、なかなか恐ろしい宿題がありました。本を読むだけなら楽しいのに、「感想を原稿用紙何枚で書け」と言われた瞬間、読書が労働になる。

あれは教育として本当に正しかったのだろうか、と今でも少し疑っています。


しかも、夏休みの初日に「今年は早めに宿題を終わらせよう」と思った記憶だけは毎年あるのに、なぜか8月28日あたりになると、原稿用紙が白いまま残っている。人間は経験から学ぶ生き物だといいますが、小学生の夏休みを見る限り、かなり怪しいものです。


もっとも、大人になった今は、誰から頼まれたわけでもないのに朝からニュースを読み、その感想を長々とブログに書いている。人生というものは、なかなか皮肉にできています。


もし小学生の自分に会えるなら、「読書感想文くらい、ちゃんと書いておけ」と言ってやりたい。

たぶん、聞かないでしょうけれど。


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