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NEWS CLIP|気になった法務・政策ニュース|2026年8月13日


日々流れてくるニュースの中から、法務、政策、行政、企業活動、そして私たちの生活に関係する話題を拾い、そのニュースが実務や社会にどのような意味を持つのかを考える「法務通信 NEWS CLIP」。

本日は、横浜市の環境政策、スマートフォン市場の新しい競争ルール、生活保護基準をめぐる最高裁判決後の救済、横浜市における中国残留邦人等への追加給付、新しいモビリティ産業の育成、そして地元・青葉区で開催される青葉区民まつりを取り上げます。

今回は、全国的な法制度の動きから横浜、そして市が尾という身近な地域まで、少し視点を広げてニュースを見てみたいと思います。


那住行政書士事務所HP https://www.nazumi-office.com/


01|YOKOHAMA/ENVIRONMENT|2040年の横浜をどうする?――新たな「横浜市環境管理計画」が策定


横浜市は7月29日、新たな「横浜市環境管理計画」を策定したと発表しました。

今回の計画では、2040年の横浜の環境の将来像を描き、脱炭素化、生物多様性、資源循環、生活環境など、これまで個別に考えられがちだった環境政策を総合的に進めていく方向性が示されています。

「環境政策」というと、少し遠い話に感じるかもしれません。

しかし、実際には私たちの生活や企業活動とかなり密接につながっています。

住宅の省エネルギー化。太陽光発電。廃棄物処理。プラスチック資源循環。都市の緑化。農地の保全。猛暑への対応。

どれも市民生活や事業活動に直接関係する問題です。

さらに横浜では、2027年のGREEN×EXPO 2027を控えています。

GREEN×EXPOを一過性のイベントで終わらせるのではなく、その後の横浜のまちづくりをどう変えていくのか。

今回の環境管理計画は、そうした長期的な視点からも見ておく必要があるでしょう。

ここで法務の視点から興味深いのは、環境政策が「努力目標」だけでは終わらなくなっていることです。

脱炭素や資源循環を進めるためには、

補助金を出す。事業者へ一定の義務を課す。建築や開発について基準を設ける。行政と民間企業が協定を結ぶ。

といった具体的な行政手法が必要になります。

つまり、環境政策が進めば進むほど、許認可、補助金、行政計画、契約など、法務との接点も増えていきます。

「環境」と「法務」は別の分野ではありません。

これからの行政書士実務でも、環境政策を背景にした行政手続や企業支援は、徐々に重要になっていくのではないでしょうか。

GREEN×EXPOの開催だけでなく、その先の2040年に横浜がどんな街を目指しているのかについても注目していきたいと思います。


02|BUSINESS/DIGITAL|Apple・Googleは新しい「スマホ法」にどう対応したのか


スマートフォンをめぐる競争政策も、新しい段階に入りました。

公正取引委員会は7月27日、スマホソフトウェア競争促進法に基づき、指定事業者から提出された初めての「遵守報告書」を公表しました。

対象期間は、同法が全面施行された2025年12月18日から2026年3月31日までです。

対象となるのは、スマートフォンのOSやアプリストアなど、私たちが日常的に利用しているデジタルサービスです。

スマートフォンは、もはや単なる電話ではありません。

買い物をする。銀行を利用する。動画を見る。音楽を聴く。ニュースを読む。仕事をする。

生活や事業の入口そのものになっています。

その入口となるOSやアプリストアを、ごく少数の巨大企業が運営しています。

そこで問題となるのが、

「その企業が自社サービスを有利に扱っていないか」

「他社が市場へ参入することを不当に妨げていないか」

という競争政策の問題です。

スマホソフトウェア競争促進法の興味深いところは、法律で禁止事項を定めるだけではなく、指定事業者自身に、自分たちが法律をどのように遵守しているのかを報告させる仕組みを採っていることです。

そして、その報告書を公取委が公表する。

つまり、

「法律を守っています」

という企業の自己申告だけで終わらせず、その対応を社会から見えるようにするわけです。

デジタル市場では、技術の変化があまりにも速く、法律だけですべての行為を細かく規定することは困難です。

そのため、

ルールを作る。企業に対応を求める。その対応を報告させる。実際に市場がどう変化したのかを検証する。

という継続的な規制が重要になってきます。

デジタル社会における「法律の作り方」そのものが変わってきていることを感じさせるニュースです。


03|PERSONAL/ADMINISTRATIVE|最高裁判決を受け、生活保護費の追加給付が始まる


行政法という観点から、非常に重要な動きがあります。

2025年6月27日、最高裁判所は、2013年から実施された生活保護の生活扶助基準の改定について、厚生労働大臣の判断過程・手続に問題があったとして違法と判断しました。

この判決を受け、国は新たな基準額と過去に実際に支給された生活保護費との差額を「追加給付」として支給する対応を進めています。

横浜市でも8月1日から、対象者について申出の受付が始まりました。これは単なる「給付金」のニュースではありません。行政法の視点から見ると、行政が行った判断が裁判によって違法とされた後、その影響を受けた人たちに対して、行政がどのように原状回復を図るのかという問題です。

行政上の決定は、多数の国民に影響します。そのため、一つの行政判断が違法だった場合、その影響をどう修正するかは簡単ではありません。制度上の誤りを認めることと、実際に影響を受けた一人ひとりへ救済を届けることは別の問題です。

ここに行政実務の難しさがあります。

法律や判決は、それだけで人を救済するわけではありません。判決を受けて制度を作り、対象者を特定し、申出を受け、実際に給付する。そこまで行われて初めて、司法判断が現実の社会へ反映されます。

行政法を考えるうえで、非常に示唆の多い事例だと思います。


04|PERSONAL/YOKOHAMA|生活保護だけではない――中国残留邦人等の支援給付にも追加給付


03で取り上げた生活保護費の追加給付と並べて、もう一つ見ておきたい制度があります。

横浜市では、中国残留邦人等に対する支援給付についても、今回の最高裁判決を踏まえ、生活保護と同様に追加給付を行います。

対象となるのは、2013年8月から2026年3月までの間に横浜市で支援給付を受けたことのある人で、申出期間は2026年8月1日から2027年7月31日までとされています。最高裁判決という大きなニュースが報じられた後、その影響を受ける制度を一つ一つ確認し、対象者に救済を届ける作業が始まっています。

ここで改めて感じるのは、「行政からのお知らせを必要な人へ届ける」ことの難しさです。現在制度を利用している人であれば、行政から連絡を取ることは比較的容易です。

しかし、10年前に制度を利用していた人はどうでしょう。

転居しているかもしれません。高齢になっているかもしれません。制度が変わったこと自体を知らないかもしれません。

行政手続のデジタル化が進んでも、この問題は残ります。

ホームページに情報を掲載した。それだけで「周知した」といえるのか。行政情報を必要とする人ほど、行政のウェブサイトを毎日確認しているわけではありません。行政と市民をつなぐ専門家や地域団体、福祉関係者などの役割も、こういう場面では重要になります。

制度を作るだけではなく、必要な人に制度を届ける。

行政サービスを考えるうえで、忘れてはいけない視点だと思います。


05|BUSINESS/YOKOHAMA|横浜から次世代モビリティを生み出す――CIC Japanと新事業を始動


企業支援という観点から注目したいのが、横浜市が7月29日に発表した新しいモビリティ・イノベーション事業です。

横浜市はCIC Japanと連携し、モビリティ分野のスタートアップや企業による新しい技術・サービスの創出を支援する事業を始動しました。モビリティというと、自動車を思い浮かべるかもしれません。しかし現在では、自動運転、電気自動車、ドローン、MaaS、物流DX、移動データの活用など、「人や物が移動すること」に関係する幅広い産業を意味するようになっています。

横浜には自動車関連企業をはじめ、多くの製造業や研究開発拠点があります。そこへスタートアップの技術やアイデアを組み合わせ、新しい産業を生み出そうというわけです。

ここで行政の役割も変わってきています。従来は、企業と行政の関係は、許可を取る・届出をする・規制を受けるといった「管理中心」のものでした。

しかし現在は、企業同士の連携支援や実証実験の場の提供、スタートアップ支援、大学・研究機関との連携など、「産業を育てる行政」へと広がっています。

一方で、新しい技術の普及に伴い、自動運転・ドローン・データ活用・AIなど、それぞれの分野で新たな法規制や行政手続も必要になります。つまり、新しい産業の発展は、新しい法務・行政対応を生み出しているのです。

企業支援と行政法務は別々のものではありません。

新しい事業を社会実装するために「どの規制をクリアし、どの行政手続を行えばよいのか」を考えることも、これからの行政書士にとって重要な領域になっていくと思います。

GREEN×EXPO 2027を控える横浜で、新しい技術と企業がどのように育っていくのか。

地元の経済ニュースとしても注目していきたい動きです。


06|ICHIGAO/AOBADAI|11月3日は青葉区民まつり――今年も市が尾に地域が集まる


最後は、事務所のある横浜市青葉区・市が尾から。

2026年11月3日、「青葉区民まつり2026」が開催されます。

会場は青葉区役所第1・第2駐車場や区民ホールなどを予定しており、開催時間は午前10時から午後3時まで。

今年は「心ひとつに 青葉のちから」をテーマに、飲食ブース、展示コーナー、体験型イベント、子どもたちによるステージ発表、スポーツ体験など、多彩な企画が予定されています。

8月3日から8月31日まで出店団体の募集も行われており、約80団体の出店が予定されています。申込みは原則として横浜市電子申請・届出システムを利用する仕組みです。

そして今年も、那住行政書士事務所が所属する神奈川県行政書士会緑支部では、青葉区民まつりへの出展を予定しています。

当日は、無料相談会を実施するとともに、行政書士制度について知っていただくための広報活動を行う予定です。

行政書士という仕事は名前を知っていても、

「具体的に何を相談できるの?」

と思われている方はまだ多いのではないでしょうか。

相続・遺言成年後見契約書各種許認可外国人の在留手続法人や事業に関する行政手続

行政書士が関わる分野は非常に幅広くあります。

しかし、何か問題が起きたときに、「これは行政書士に相談していい問題なのか」と市民の方が判断するのは難しいものです。だからこそ、区民まつりのような場所で行政書士自身が地域の皆さんと直接お会いし、「こういうことも行政書士に相談できますよ」と知っていただくことには意味があると思っています。

普段は事務所で依頼を受け、行政機関へ書類を提出する仕事をしていますが、この日は行政書士の側から地域の皆さんのところへ出ていきます。法律や行政手続の話だけではありません。飲食ブースを楽しんだり、ステージを見たり、地域で活動しているさまざまな団体を知ったりする。そうした地域のお祭りの一角に行政書士のブースがあること自体が、「地域にいる法律・行政手続の専門家」を知っていただく機会になるのではないでしょうか。

11月3日、市が尾で開催される青葉区民まつり。

私自身も、神奈川県行政書士会緑支部の一員として参加する予定です。

お近くの方は、ぜひ会場へお越しください。


今回のNEWS CLIPから――制度は「人に届いて」初めて動き出す

今回の6つのニュースは分野はバラバラですが、共通しているのは「制度は作るだけでは動かない」という点です。

環境、デジタル規制、生活保護の救済、企業支援、地域イベント――いずれも実際に運用され、届いて初めて意味を持ちます。

そして重要なのは、「困っている人に情報が届くかどうか」。

青葉区民まつりの無料相談も含め、制度と人をつなぐことが大切だと感じます。


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