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【鉄道ブログ】27,000Kmの旅日記008/最北の鉄道・宗谷本線編(8)

更新日:2020年8月22日


週末は法務以外のお話を書いていきたと思います。前回までは こちら から ………


抜海駅の次は勇知駅、兜沼、徳満、豊富と駅は続く。


勇知駅の駅舎はいわゆる「貨車駅舎」の駅である。

「貨車駅舎」とは「貨物列車」の最後尾に接続された車掌が常務する車両を、駅施設として転用した駅舎のことである。北海道の無人駅では、多く見られることができ、この宗谷本線においてもいくつかの駅で見ることが出来る。勇知駅は1980年代より、貨車駅舎となっており、全国で広く運用された国鉄ヨ3500形貨車を転用している。

駅周辺には建物が見えるが、この駅でも降りる人、乗る人は誰もいない。



次の兜沼駅も無人駅。しかしここはちゃんと駅舎が存在している。現在の駅舎は1988年に改築されたもの。改築された当時はまだ有人駅だったそうだ。少し雪が強かったせいか、車窓からちゃんと確認することができなかったのだが、駅舎と反対側には名所である「兜沼」が見えるそうだ。そして、夏はこの駅のホームが花畑になるという。また季節をあらためてゆっくりときて見たい場所だ。


ひたすら宗谷本線は、一面雪景色の中を走る。一駅一駅、距離があるのは、これまでに既に廃駅となってしまった駅があるからだ。兜沼駅と徳満駅の間には2001年6月まで芦川駅があった。サロベツ原野の真ん中にあった駅で、廃駅当時には付近の集落も消滅してしまっていたそうだ。



徳満駅の駅案内板を見ると、前後の駅を示す部分に張り替えた後が見える。来年、令和3年にはこのような場所が新たに増えてしまうということに、寂しさを感じる。2000年までは開業当時からの木造の駅舎が存在したが、現在はホームにプレハブ小屋と簡易トイレが置かれているだけである。




豊富駅は兜沼駅、徳満駅と比べると大変立派な駅だ。この駅のある豊富町、90年代後半から00年代前半、全国各地で相次いだ「平成の大合併」のころ、周辺自治体との合併を行わず自立の道を選んだ自治体だ。「最北の温泉郷」といわれる「豊富温泉」を擁し、農業・林業の盛んな街である。

現在の駅舎は2代目、1966年に完成。北海道の他の多くの街と同様、この街がまだ「炭鉱の街」であったころに完成した駅舎だ。当時はこの駅から、炭鉱まで「日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道」が走っていた。



宗谷本線は豊富駅を出ると、下沼駅を経て、幌延駅に到着する。稚内駅を出てから約1時間20分、宗谷本線はこの幌延駅で少し停車する。





(写真1)勇知駅

(写真2、3)徳満駅

(写真4)豊富駅




※本稿は平成30年12月に現地に行った際の記録・撮影です。

※次回は令和2年8月29日(土)に更新します。以後、毎週土曜更新が目標です。

※平成31年1月分の鉄道輸送統計調査における旅客営業キロの全国合計は27,787.2Km


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