2018年12月25日

著作権の保護期間が50年から70年に~著作権法が改正(1)

0件のコメント

著作権法改正案が相次いで施行され、著作権が大きく変わります。。

 

この項では

 

・著作権の保護期間が50年から70年に

・著作権を保護するための技術を、破ろうとする行為が違法に

・重大な著作権侵害行為は”非親告罪”に

 

についてお伝えします。

 

 

▼TPP11締結に伴う、著作権法改正

 長らく各国間で話合われていいた、貿易などの国際間条約TPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)。昨年1月アメリカが離脱したことで、いったんは頓挫したと思われましたが、その後アメリカを除く11か国によって「TPP11協定」として改められ、今年(2018年)3月、日本を含む11ヶ国の閣僚が条約案に合意し、署名を行いました。

 TPPでは自動車や畜産物の輸出入のルールが協議され報道でも注目されていましたが、併せて著作権など知的財産に関する、TPP加盟国間での統一したルールについて議論され合意が為されました。そこでTPPで合意したルールに併せ国内の法律も変更する必要があり、著作権法も部分改正が行われることとなります。

 著作権法をはじめとする、国内法を整備するための改正法案、そして条約自体を成立させるためにも、いずれも国会の承認が必要となりますが、今年行われた国会でいずれも可決成立しました。

 またこの法律の施行には、条約の発効が必要とされていましたが、今年後半になりオーストラリアで条約が承認され、「TPP参加11か国のうち、日本を含む6か国以上が議会承認などの国内手続きを完了してから60日後」という要件が整ったため、12月30日に条約が発効、著作権の保護期間などが変更されることになりました。

 

 

★著作権保護期間が50年から70年に

 著作権の存続期間が、現在の著作者の死後50年から、70年に延長されます。現行の50年のままですと、三島由紀夫の著作権は平成33(2021年)1月には著作権切れとなる予定ですが、70年となればさらに20年、著作権が存続することとなります。

 

 なお、今年までにすでに著作権の保護期間が終了している著作権については、20年に伸びたからといって、保護期間が復活し、著作権が延長されることはありません。

 

★著作権を保護するための技術を、破ろうとする行為が違法に

 ソフトウェアなどの利用について、管理するために施されている技術的な手段(アクセスコントロール)を、権利者の許可なく意図的に取り外す行為が、原則として著作権侵害行為となります。(ただし刑事罰の対処とはしない)

 また、この回避行為を行うために、機器等を販売する行為についても、著作権侵害行為とし、この場合は刑事罰の対象となります。

 

 

 

 今まで、刑事罰を問うには当該権利者の告訴がなければ刑事罰の対象とはならなかった、著作権侵害とされる行為の一部が、権利者の告訴が無くても、第三者の告発や、警察独自の判断による捜査などによって、刑事罰の対象とされるようになります。 

 

具体的には、

1)対価を得る目的又は権利者の利益を害する目的があること

2)有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信又は複製を行うものであること

3)有償著作物等の提供・提示により得ることの見込まれる権利者の利益が、不当に害されること

以上の条件を満たす場合、非親告罪として扱われることとなります。

最新記事
  • この項では ・デジタル・ネットワークでの利用が柔軟に ・教育の”情報化”に対応した改正 ・障害者の情報アクセスがより行えるようになるための改正 ・アーカイブ利用に関する改正 についてお伝えします。 ▼「著作権の一部を改正する法律案」による著作権法改正  昨年まで文化審議会著作権分科会などで議論されていた「デジタル・ネットワーク技術の進展により、新たに生まれるニーズに的確に対応するため」の法改正案がまとめられ、今年2月に改正法案が閣議決定されました。  今回の著作権法改正案は、全般的に著作権者の権利制限が拡大されています。つまり著作物を利用するためには、原則著作権者の許諾を得ることが重要ですが、許諾を得なくても利用できる範囲が拡大されました。改正案の概要は次の通りです。 ★デジタル・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規程の整備  システムの開発や、データベースの構築のためには、著作物を無許諾で利用することが可能になります。例えば、大量の論文をサーバーに収録し、論文の検索システムを構築したり、書籍の文字情報をデータベースにとりこんで、書籍の検索サービスを作成することが、著作権者の許諾がなくとも可能になります。 ★教育の情報化に対応した権利制限規程等の整備  これまで学校等の教育機関では、教師等が他人の著作物を紙で複製して、教室で授業を受けるものに配布することは著作権者の許諾が無くても行うことができました。  今回の改正では、紙ではなく、ネットワークを通じて教室内の生徒に送信することについても、著作権者の事前許諾が無くとも行えるようになります。ただし利用したあとに、一定の補償金を支払うこととされています。 ★障害者の情報アクセス機械の充実に係る権利制限規程の整備  現在、視覚障害者等、目が不自由な方のために認められている無許諾での録音図書作成が、改正後は、肢体不自由等、視覚障害者の方以外の方に対しても、無許諾での録音図書等の作成が認められるようになります。 ★アーカイブの利活用促進に関する権利制限規程の整備等  美術展等の展示作品を紹介する小冊子に当該美術品を利用する際、現在は紙の書籍の場合、無許諾で当該著作物が利用できますが、改正後はデジタル媒体でも許諾不要で利用することができるようになります。また国及び地方公共団体等が著作権者不明の場合の裁定制度を利用する際、補償金の供託が不要となるといった改正も行われます。 ★本改正の施行日 「教育の情報化に対応した権利制限規程等の整備」以外の改正については平成31年1月1日、「教育の情報化に対応した権利制限規程等の整備」については公布の日から起算して3年を超えない範囲で政令で定める日とされています。 著作権法の改正は利用者の立場からすれば、利用しやすいように、権利者の立場からすれば権利をより強く守るようにという、相反する考え方を調整しなくてはならず、毎回難しい議論が繰り返されます。今後も何か動きがありましたら、当事務所WEBサイトなどでご紹介してまいります。

© 2014-19 那住行政書士事務所 All Rights Reserved.

NAZUMI Certified Administrative Procedures Legal Specialist Office  +81-45-900-4435 nazumi@nazumi-office.com

  • Twitter Classic
  • Facebook Classic